いきなりロシアがウクライナと戦争を始めて、世界を大混乱に巻き込むし、コロナの終息は全く見えてこないし、不安要素は満載です。
ちょっとした引き金で一気に景気が落ち込むことがあります。仮に長期化すれば、あの悪夢の’’就職氷河期’’となるかもしれません。
ただ、旅行業界、航空業界、観光業界、ホテル業界、百貨店業界はすでに就職氷河期に入っているといっても過言ではありません。
ここでは回避する方法を5つ示していきます。
私は大手企業の新卒採用活動を15年以上している現役面接官の「はれきち」です。採用側の立場で、アドバイスいたします(Twitter版はこちら)。
- コロナ影響が強い業界は避ける
- 企業研究で成長率を確かめる
- インターンで情報収集する
- 就活を早く始める
- 社会情勢の変化を敏感に捉える
この記事を読めば、就職氷河期となっている、あるいはなりそうな企業は避け、安定感のある企業を探すことができます。結果、安定成長が見込まれる企業に就職できるでしょう。
景気が悪くなれば、就活は早く動くのが鉄則
~文系就活生が登録すべきおすすめ就活サイト3選~
・文系比率8割以上で特に女性登録者が多い
・紹介案件は3,4件のみで不要なメールがこない
・Googleの口コミが4.7の高評価
・就活に出遅れたと思ってるなら必須
・逆求人サイトなら絶対登録すべき神サイト
・登録企業18,533社からのオファーは内定への近道
就職氷河期とは
就活生は言葉だけは聞いたことがあるかもしれません。
一般的にバブル崩壊後、不景気のあおりを受け、1993年~2005年卒の人が就職難になった時代を就職氷河期と言われています。
感覚的には就職協定が廃止された1996年~2003年あたりが一番大変だっと記憶しています。私は真っ只中におりました。
当時何が起きていたか
不景気で倒産は相次ぐのはもちろんですが、銀行が次々と破綻し、連鎖倒産していました。企業はリストラ断行し、生き残ることがやっとのため、大手企業でさえ新卒採用はゼロという状態でした。
求人があっても人数をかなり絞っているため、少ない採用を大人数で奪い合う椅子取りゲームのようでした。ひとつの椅子に数百人が応募するのです。
ネットで企業を検索して情報収集する時代ではなく、合同説明会の案内は紙媒体でした。当時、インターネットが普及し始めて間もない頃で、1996年にヤフーが開始され、ネットの普及率が3.3%の時代ですから、紙がメインだったのです。
限られた情報紙を片手に合同説明会に何時間も並ぶことが当たり前でした。大学4年生は卒論や研究に没頭するのではなく、就活に明け暮れる毎日だったのです。
就職難民続出
需要(就活生)と供給(求人企業)のバランスが悪く、求人が明らかに少ないため、就職できない学生が続出しました。内定が1件で取れればよい方でした。
まず自分が志望する企業の求人があるのか、確認しなければなりませんでした。求人がなければ、就職しようがないですから。ほとんどの企業は採用を絞っていたので、選べる状態ではなかったのです。
あふれた人はフリーターや派遣社員へ流れていく道しかなかったのです。国の支援は20年経ってようやく就職氷河期世代支援プログラムをだしましたが、時すでに遅しですよね。
就職氷河期の再来はあるのか
就職氷河期の再来はあるのでしょうか?
私は特定の業界おいて、すでに就職氷河期の再来だと認識しております。いくら旅行業界や航空業界に就職したくても企業からの求人がなければ就職することはできません。
この状態が数年は続くと予想されるため、まさに氷河期といえるでしょう。
特定の業界はすでに就職氷河期
不景気で全ての業界に就職氷河期がきているわけではありません。コロナの影響で伸びた業界(IT、情報管理)があれば、大ダメージを受けた業界があるのです。
就職氷河期がきている業界
・航空業界
・旅行業界
・ホテル業界
・百貨店業界
・観光業界
・飲食業界
・鉄道業界
・エンタメ業界
コロナの影響をもろに受けている業界は逆風が続いています。元通りに回復するにはあと数年が必要です。これらの業界を志望するなら、採用枠がゼロもしくは相当絞られているので入社するのが困難となります。
現状と就職氷河期時代の比較
現状と就職氷河期の時代との違いは何なんでしょうか?
一言でいうなら「今は社会全体が不景気ではなく、特定の業界で明暗が分かれている」ということです。
20年前の就職氷河期は社会全体が不景気だったので、一般市民は購買意欲が低下し、デフレが加速しました。つまり物やサービスが売れないため、安売り合戦となったのです。当然、体力のない企業はどんどん潰れました。
今回(コロナ) | 前回の就職氷河期 | |
時期 | 2022年 | 1996~2003年 |
景気 | 業界により明暗 | 全ての業界が不景気 |
求人倍率 | 1.16倍 | 0.49~0.72倍 |
データでみると現状の深刻さは就職氷河期の時ほどではありません。ただ、コロナの影響をもろに受けている業界は就職氷河期と同様の現象が起きているのです。
>>【就活前に把握】コロナ影響が大きい業界は?【倒産企業からわかること】
回避する5つの方法
就職氷河期の再来となっている業界は回避しないと就職が困難となります。どのような点について注意すればよいのでしょうか?
コロナの影響を強く受けている業界は避ける
求人が以前より減っている業界=売上が減少している厳しい業界ととらえてよいでしょう。
不景気な業界は採用がないの企業が多く、採用があったとしてもごくわずかな枠しかありません。思い切って就活を避けた方がムダな時間をついやさなくてよいです。
逆にリモートワークが追い風になっているITや情報処理業界にチャレンジすると内定を取るチャンスが増えるでしょう。
避けるべき業界
・航空業界
・旅行業界
・ホテル業界
・百貨店業界
・観光業界
・飲食業界
・鉄道業界
・エンタメ業界
どうしても就職したいなら、
景気がよくなって
転職を考えるのもあり
企業研究で成長率を確かめる
企業研究をしっかりしなければ、景気の悪い企業へ就職することになります。コロナの影響をもろに受けてないのに、競争力の低い会社があるのです。
過去5年間の売上、利益の推移に注目してください。安定的に推移していれば問題ありません。また、一時的に落ち込んでもすぐに立ち直っているなら変化に強い会社といえます。急降下した状態のままなら、回避した方がよいでしょう。
成長率=現状の売上÷5年前の売上
企業研究をしっかりすると、コロナの影響をもろに受けている業界であっても売上が伸びている企業を見つけることができます。
例えば、飲食業界では居酒屋やファミレスは逆風ですが、デリバリーが強いハンバーガー(マクドナルド)、チキン(ケンタッキー)、ピザ(ドミノピザ)は過去最高の売上となっているのです。
上場企業はIR(Investor Relations)情報として、株主や投資家に対して、必ずホームページに売上と利益の実績や予測を掲載しております。誰でも見ることができるため必ず過去の実績を含め目を通しておきましょう。
中小企業であれば、売上が悪いと、そもそも求人をだしません。
近々の情報でリストラやボーナスのカットがないかをしっかりネットでチェックしておくとよいでしょう。そうすれば事前に回避できます。
インターンシップで情報収集する
面接となれば、企業にとって耳の痛い質問ばかりはできません。売上が落ち込んでいる原因、改善策、今後の見通しは会社説明会や面接ではなく、インターンで情報収集するとよいです。
質問したときに安心できる材料が採用担当者から返ってくれば、候補に入れればよいし、そうでなければ回避した方がよいでしょう。
- 質問すべき内容
- ・今後の売上の見通しについて
・コロナ対策の打開策
・新規事業の計画
・今後の投資分野
・ライバル企業との差別化について
>>【面接官回答】面接でコロナに関する逆質問をしても大丈夫?ダメなの?
不景気になれば就活を早く開始する
私は経験上、不景気になればなるほど、早く就活に行動を移す必要があると考えています。遅くなると、イス取りゲームに参加できないためです。長期化すると、必ず卒業論文がおろそかになりますからね。
就活を遅く始めた人が就職浪人になったのを何人も見てきました。早い人は3,4月に内定を取るのです。4月から始めると5,6月の内定となります。いつから就活を始めたかによって、内定をもらえるチャンスが変わってきます。
6月以降に就活を始めると極端に内定率が悪くなります。それは一次採用はほとんどの企業が6月までに終わるからです。
社会情勢の変化を敏感に捉える
今どんなことがニュースで取り上げられているのか、新聞ではどんな記事が多いのか、社会情勢がどうなっていくのか関心を持ちましょう。
新聞を取っていれば、浅く広く読めばわかります。ヤフーのネット記事だけだと、情報に偏りがでます。ただ、無理して新聞を取る必要はありません。
ネットで情報収集するなら、新聞会社の読売、毎日、朝日、日経にアクセスしどれかを定期的にチェックするようにしてください。
テレビであれば、NHKのトップニュースだけでもよいでしょう。政治、経済、コロナ、スポーツと満遍なく聞けば、全体が見えます。
社会情勢に関心があれば、飲食業界の将来性、航空業界、旅行業界が元通りになるための障害がよくわかるようになります。
回避できる人の特徴
私は就職氷河期時代を自ら体験し、その後、採用する側として面接官の立場で接してきました。内定が取れる人、取れない人の差は一体どこにあるのでしょうか?
ここでは就職氷河期を上手く回避できる人の特徴を挙げます。
回避できる人の特徴
①就活のスタートが早い
4年生になって動くのではなく、3年生の内に企業研究をして、志望企業を選定している。景気が悪ければ、早く動くのが鉄則です。遅くなればなるほど、選択肢はなくなります。
②エントリーシートの提出数が多い
ESの提出が少ないと書類選考で落ちた場合、持ち駒がすぐになくなります。常に一定数以上を保有するため、20社以上は提出しましょう。始めは的を絞りすぎないように注意しましょう。
③気持ちの切り替えが早い
どんなに優秀な人でもすべての企業で内定を取ることは困難です。必ずお祈りメールをもらうことになります。誰でも落ち込みますが、すぐに気持ちを切り替えることが大事です。自信を持って次にのぞめます。
④情報のアップデートを必ずしている
情報収集に貪欲でなければなりません。一度調べたから終わりでなく、ESやSPI、面接で失敗したら、どこを改善するのか、自分自身をアップデートしなければなりません。志望動機、自己PRは作り上げて、よりいいものにどんどん改善していく必要があります。
⑤就活スタイルを複数持つ
就活はマイナビやリクナビの求人を追っかけるだけではありません。ハローワークを利用したり、就活サイトを活用や逆求人サイトに登録したりとパターンを増やすと就活バリエーションが豊富になります。アプローチが複数あると内定へ近づくことになります。
まとめ
就職氷河期の再来は特定の業界できていると認識してよいでしょう。大手企業や有名企業であっても採用がゼロになっています。この状態は数年は続き、合併や規模縮小や企業再編は十分考えられます。
コロナの影響をもろに受けている企業を避けるにはしっかり情報収集しなければなりません。今後の見通しや採用状況を鑑みて、回避するか決断してください。
早めに選択肢から外して、儲かっている業界へシフトする方がよいでしょう。
影響を受けている業界であっても、すでに回復し、過去最高益を叩き出している企業があります。成長率をしっかりチェックするとよいです。
過去の就職氷河期の就活では鉄則がありました。それは『不景気の時ほど早く動け!』でした。就活は遅くなればなるほど選択肢が狭まるからです。
また、就活スタイルを複数もって動けば、早く内定にたどりつくことができるでしょう。