希望勤務地は実家から通える場所にしたいが、どんな理由にしようか悩みませんか?
せっかく志望する会社へ入社しても希望した勤務地でなければ、モチベーションは下がってしまいます。逆に勤務地の希望が通れば、当然やる気はでますよね。
では、面接時にどのようなことを伝えれば、希望は叶うのでしょうか?
よくある事例として、やってはいけないことは、希望勤務地があるにもかかわらず、内定を欲しがり『勤務地は全国どこも大丈夫です』と伝えることです。私は何度も経験していますが、1~2年後に『やっぱり地元に帰りたい』という社員を何人も見てきました。
最悪、地元に戻れない場合『転職』という選択をすることになります。
私は大手企業の新卒採用活動を15年以上している現役面接官の「はれきち」です。採用する側の立場として、あなたの悩みを少しでも解決できるようアドバイスいたします(Twitter版はこちら)。
- 勤務地が選択できるか確認する
- 必ず希望勤務地を伝える
- 譲歩できる範囲を広げる
- 希望勤務地のアピールをする
- 転勤制度を確認しておく
希望勤務地を叶えられるかは面接のやりとりで決まります。遠慮してエリア範囲を広げれば希望勤務地には着けず、主張が強すぎれば合否に影響がでます。
この記事を読めば、勤務地の希望を叶えるためには理由が大事だとわかります。
希望勤務地のアピールはストレートに伝えましょう、でも保険も忘れずに
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希望勤務地は叶うのか?
まず、そもそも「希望勤務地は叶うのか」と疑問に思っていませんか?答えは叶います(今は)。
20年以上前の就職氷河期時代だと希望勤務地はほとんど通りませんでした。『全国どこでもOKです』と言わないと、土俵に上げてもらえなかったのです。
しかし、昨今の働き方改革でどこの企業も長く働いてもらうには、どのような労働環境にすべきか真剣に考えています。会社は残業問題、有給取得、離職率の低下、生産性向上などを取り組まなければなりません。労働環境や職場環境を改善すれば、社員は辞めなくなります。
長く勤めれば、営業力や技術力の経験値がたまり、結果として生産性向上につながるのです。よって、人事部は「離職率を下げる策」として、面接時になるべく勤務地希望を聞いて入社後のミスマッチに気を配っています。
よって、希望勤務地は必ず面接官に伝えた方が双方にとってよいのです。
海外勤務希望するならこちらを参考にしてください。
勤務地を叶える5つのアドバイス
入社するからには希望勤務地で絶対に働きたいですよね。実家から通いたい、実家の近くで働きたい、都市部で働きたい、一人暮らしがしたいと希望は様々です。
これらを叶えるために5つのアドバイスをします。
①勤務地が選択できるか聞く
②必ず希望勤務地を伝える
③譲歩できる範囲を広げる
④希望勤務地のアピール
⑤転勤制度の確認
①勤務地が選択できるか聞く
企業よって稀に勤務地が選べない場合があります。そもそも『勤務地を選択できるか』確認しておく必要があります。企業説明会など早い段階で確認しておくとよいでしょう。早い段階でわかっていれば、企業選択から除外することが可能です。
面接官があいまいに答える会社は勤務地が選択ができないかもしれません。例えば勤務する工場が2か所しかない、営業所が2か所など数が少なければ選択できないことも。
②必ず希望勤務地を伝える
エントリーシートに希望勤務地を書けば必ず通るわけではありません。面接時に何も言われなかったので、面接官が気を利かして希望通りにしてくれると思ってはダメです。
聞かれない場合は必ず希望勤務地はどうなっているのか確認してください。通常、一次面接や二次面接のどちらかで必ず面接官が聞いてきます。
『あなたの希望勤務地について聞かせてください』と言われたら、支店、営業所、工場のある場所を伝えてください。例えば、東京、大阪か京都、仙台か札幌、松山か高松、鹿児島などはっきり言いましょう。
ここで曖昧に答えないようにしてください。
ざっくり、西日本や東日本または関東、関西、九州、東北、四国と始めから言わないことです。関東でも東京と山梨ではだいぶ環境が異なります。
<注意!>
営業所や工場、研究所が全くない地域を選択すると「調べていない、わかってない」と判断されるので事前に場所は確認しておきましょう。
③譲歩できる範囲を広げる
必ずしもピンポイントで希望勤務地が叶うとは限りません。希望した事業部、地域の支店、営業所、工場で新卒募集の受け入れがなければ、配属されることはありません。
例えば、私の会社でよくあることですが、実家から近い千葉支店がよいと言われても、そもそも千葉支店が新卒1名の受け入れがなければ入れません。支店の戦略によって、拠点の人数を増やす増やさないを決めているからです。工場もしかりです。
その場合、次のような質問が面接官から言われます。『勤務地の範囲を広げられるとしたらどこまで?』この時の答え方に注意が必要です。
『全くできません』と回答すると面接に落ちてしまいます。
答え方の例として
・自宅から通える範囲なら、大丈夫です
・関東だと東京、埼玉、神奈川です
・東京、埼玉、神奈川、茨城です
・関東なら全域大丈夫です
・一人暮らしするならどこでもOKです
このように回答すればよいです。面接官は配属の選択肢を増やしたいので、対象範囲を広げられるか聞いてきます。
選択肢を広げれば、当然チャンスは増えます
④希望勤務地のアピール
希望勤務地のアピールで高い競争率を勝ち取れるかここで決まるといっていいでしょう。仮に東京を希望しても、希望人数が多ければ、誰かが漏れることになるのです。
ここでのアピールとは、なぜその場所がよいかの理由付けが大切になります。なぜなら、面接官に前向きな理由と思われたり、逆に後ろ向きな理由だと捉えれるからです。
後ろ向きな理由とはなんですか?
まずはわかりやすく事例からみてみよう
<ダメな後ろ向きなアピール>
・親の介護をするため
・親に何かあったときにすぐ帰りたい
・長男なので実家の近くにいたい
・都会に憧れがあるので
・田舎がダメなので
・人多いところが苦手なので
・静かなところが好き
これらの理由では希望勤務地を勝ち取れません。なぜなら、後ろ向きだからです。
私はこれまでにこの理由を何十回と聞いているので、またかと思ってしまうのです。
<よい前向きなアピール>
・実家は時間がつくれるので資格の勉強ができるため
・実家だとお金が貯まりやすく、家計の足しにできる
・実家でお金を貯めて、早く車を買いたい
・人口の多い都市部の東京で勝負したい
・人情味ある地方の鹿児島で顧客と深いつきあいがしたい
前向きな理由は目的が明確になっており、好感がもてます。
これらをまず念頭におき、どのように答えたらよいかシミュレーションしておきましょう!
希望勤務地を伝えると必ず次のような質問をされます。
・なぜ実家から通いたいのですか?
・なぜその勤務地がよいのですか?
・実家や大学に関係ない場所はなぜですか?
なぜ実家から通いたいのか?
実家から通いたいなら必ず聞かれる質問です。本音は楽だから、金が浮くからでしょうが、それは簡単には言えないですよね。ダメなのは親の介護、親が病気、家の手伝いと軽々に発言しないことです。好意的に取ってくれません。
もっと前向きな発言がよいです。
・「お金を貯めて、○○がしたい」
・「時間に余裕ができるので○○にチャレンジしたい」
・「家族が大好きなので時間を大事にしたい」
・「地元の人とのつながりや祭りを盛り上げたい」
・「いずれ一人暮らしをしたいのでお金をためたい」
と言う方が好感が持てるのです。
親がどうのこうのという理由は面接官として、うんざりするぐらい聞いていますからね。
なぜその勤務地がよいのですか?
ほとんどは実家に近いエリア、もしくは大学で通っていたエリアを希望勤務地として選択されます。
実家に近いエリアだと「親に何かあったらすぐ帰れるように」が一番理由として多いです。これは好意的に取られません。
「また、その理由ね」と面接官から思われます。それより、『家族を大切にしているので、定期的に帰るならお金の負担が少ないエリアだから』こちらの方がイメージよいです。
大学に通っていたエリアなら、「4年間住んでここの県民性が好きになった」、「土地勘があるため」と言えば、問題ありません。
実家や大学に関係ない場所はなぜですか?
少数ではありますが、このパターンはあります。例えば、実家は福岡で、大学は大阪なのに希望勤務地として、名古屋を選ぶ場合です。
この場合、面接官として、必ずなぜ名古屋なのか聞かれます。あきらかに不自然だからです。
理由として「一人暮らしをしたいが、不安なので親戚の近くがよい」、「憧れの地だから」もありますが、やはり本音は口には出しづらいですが、「彼女(彼氏)と同じ地域で働きたい」ではないでしょうか?
面接官も薄々気づいているので、言った方がよいです。ただし、条件があるので確認したいなら詳細はこちらからどうぞ
実家近くでもない、大学の場所でもない、実は彼女、彼氏のいるところを希望したいならこちらを参考にしてください。
⑤転勤制度の確認
せっかく希望勤務地に決まっても、3年後に転勤ということはあります。後悔しないように転勤制度を確認しておくとよいでしょう。一般的には全国規模の会社でも転勤はすぐに発生しません。
早い人で3~5年、業種によりますが5~10年が一般的です。
しかし、全国規模の企業だと転勤はあるか、ないかで聞くと面接官は必ず『あり』と答えます。どんな場合に転勤があるのか、条件を知っておくとよいでしょう。
転勤にもいくつかのパターンがあります。
・希望すれば転勤可能
・管理職のみ転勤あり
・有無もいわさず転勤させられる
企業によってエリア限定社員制度があるかもしれません。最近は「転勤を好まず、出世も好まず、細々と暮らしていければよい」と考えが増えています。
このような考えが面接官に伝わると落とされるので、誘導質問に引っかからないようにしてくださいね。
よくやってしまうミス
よくやりがちなミスを伝えておきます。
全国対応可能と安易に答える
本当は希望勤務地があるにもかかわらず、『全国どこでもOK』と言ってしまうことです。配属範囲を広げる方が内定が取りやすいと思っていませんか?
答えは『NO』です。
勤務希望地の範囲を広くすることは合格に直結していません。チャンスが広がるだけなのです。
それより入社意欲や人間性、コミュニケーション能力の高い人を面接では優先するからです。
本当に勤務地にこだわりがない場合は除いて、簡単に「全国どこへでも大丈夫」とは言わないようにしましょう。私の会社の事例ですが、全国どこでもOKだったので「配属が札幌なりました」と伝えたら、そこはちょっと困りますと...。
え、全国大丈夫って言ってましたよね?そこで穴が開くと人員配置の調整が大変になるのです。よって、正直に伝えるようにしてください。
>>面接はコミュニケーション能力の高さが一番評価されるって本当?
希望勤務地が狭すぎる
こだわりが強すぎで、希望勤務地が「ここじゃないとダメ」と妥協しなければ、落とされる可能性があります。
東京に複数支店があるのに新宿支店オンリーや地方だと広島のみに指定されると採用側は困ります。そもそも新宿、広島の拠点から新卒採用の要望がないと入れません。
また、融通が利かない、選択肢が少なすぎると判断し不合格になります。希望勤務地を伝え、必ず保険として、ここまでならOKというところを作っておきましょう。
例えば、
・東京が一番良いですが、神奈川、埼玉、千葉でも大丈夫です。
・実家から近い京都がよいですが、大阪、滋賀、奈良でも通えれば大丈夫です。
このように保険をかけておくとよいでしょう。
研究職は勤務地を選べない
研究職を希望するのであれば、勤務地は選べません。本社の場所にあると勘違いしたり、拠点を間違えたりする場合があります。営業拠点とは違うので注意してください。
研究所が複数ある場合は希望を伝えてもよいですが、研究職に着くことを最優先に考えてください。研究職に着きたいのか、勤務地を優先したいのかで合否が別れます。研究職だけは狭き門なので、勤務地を優先すると不合格になる可能性が高くなります。
研究施設は田舎が多いですよ
年を取ってから地元に帰りたい場合
今は考えていないが、いずれ地元に帰りたい場合はどのように伝えたらよいのでしょうか?将来的に親の介護をしなければならい、あるいは郷土愛の観点から40~50才ぐらいで地元に帰りたいと考えるなら、正直に言った方がいいのか、迷いますよね。
その場合は正直に言わない方がよいです。
20年、30年後は今の採用担当者はいないかもしれませんし、何の約束もできないからです。それまでに会社の制度は変更するし、世の中の流れも変わるかもしれません。
仮に「転勤できます」と言われても、なんの保証にもなりませんから。また、あなた自身の考えが変わることもあります。
どうしても確認したい場合は、転勤制度の仕組みの方を聞いてみましょう。
希望エリアによって競争倍率が違う
希望エリアを広げると合格率が高くなるかと言えば、そうではないことがわかりましたよね。合格する基準がエリア範囲の広さではないからです。
ただ、希望するエリアによって競争倍率は違うのです。
例えば、
採用数が東京支店に5名、大阪支店に5名、札幌支店2名、鹿児島支店2名だとします。
東京に100名、鹿児島支店には10名がエントリーしたとすると競争率は20倍と5倍となります。(鹿児島に比べ東京は4倍難しくなる)
一般的に全国規模の企業だと東京、横浜、大阪の都市部に人気が集中し、北海道、東北、四国など地方は不人気に。よって、都市部と地方では競争率が大きく違うことを理解してください。
ちなみに私の会社では都市部と地方で20倍以上の競争率の差になることがありました。秋田、高知、宮崎、鳥取、富山など地方に支店や営業所、工場があるなら狙い目かも。
まとめ
希望勤務地を伝えることは非常に重要です。第一志望の会社に入社できたとしても希望した勤務地で働けなければ、必ず後悔します。
企業は働き方改革や人手不足の実情から入社後すぐに辞められることを一番避けたいと考えています。希望勤務地は働くモチベーションに直結していますので、面接時には必ず確認しましょう!