新卒採用では自己PR、志望動機、学生時代に頑張ったこと、苦労したことは必ず聞かれるテッパンの質問です。
自己PRを考えるといってもネタが思いつかないとエピソードは作れませんよね。
これといった面白いネタはないし、特に強みをアピールできるほどの経験もない場合はどうしたらよいのでしょうか?
私は大手企業の新卒採用活動を15年以上している現役面接官の「はれきち」です。採用側の立場として、自己PRで何を評価しているのか教えます(Twitter版はこちら)。
今まで何千何百人と面接していますが、自己PRのエピソードは5つのジャンルから作られています。なんと9割以上が取り入れています。
この記事を読むと他の人がどんなネタをエピソードを自己PRに取り入れているか知ることができます。結果、自己PR作成のきっかけがつかめるでしょう。
★私の経験をもとに自己PRで多いネタベスト5を発表いたします。
1位 サークル(部活)
2位 アルバイト
3位 ゼミ(ゼミナール)
4位 趣味・特技
5位 家族
カエピソードの完成度より面接官への伝え方が大事
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自己PRのエピソードが思いつかない
やばい、アピールできる経験がない、どうしよう…
自己PRを考える時にまず思うのが、自分にしか経験していないオリジナル性や、他の人とは違う差別化の観点で切り口を探していないでしょうか。
オンリーワンのネタを探すと、必ず迷走します。
誰もがやったことがないアルバイト経験や特技を持っているわけではありませんよね。オンリーワンの人は稀なのです。
そのため、アピールできるエピソードをゼロから考えようとすると相当時間がかかります。どうしても自分だけが体験したネタで差別化を図ろうとするため、悩むのです。
自己PRに求められるもの
では、観点を変えて、自己PRで面接官は何を評価するのでしょうか?
ぶっちゃけ、私はどんなエピソードも似たり寄ったりだと感じています。本当に聞きたい内容は稀なエピソードではなく、自己PRから垣間見える『あなたの人間性』なのです。つまり、相手に「自分はこういう考えの持ち主なんです」と伝えることです。
よって、自己PRに求められるものはズバリ『具体性』と『アピール』です。
わかりやすくいうと、
具体的なエピソードを考えて、『私はこのような人間です』と自慢しなければなりません。
ただ、私はリーダーシップがある、積極性がある、協調性があると伝えても面接官は全く響きません。だってイメージできませんからね。頭の中に映像として浮かんでこないですから。
<よくある自己PRの失敗例>
私はみんなからリーダーシップがあると言われています。どんな時も常に積極的な行動を心がけています…。
これを聞いてどう思いますか?
・なぜみんなからリーダーシップがあると言われてる?
・どんな時ってどんな時(笑)??
そうです、もうおわかりですよね。具体的なエピソードがないのです。全て抽象的な表現になると面接官はあなたがどんな人かイメージできません。
ただし、勝手に作り上げた嘘のエピソードを盛り込むと面接官から突っ込んだ質問をされ、答えることができなくなります。よって、必ず実体験を基に作成しましょう。
ありきたりのエピソードでも具体性が大事です
ネタを思いつくためのヒント
全くエピソードが思いつかないのは面白いネタや他の人が経験したことがないネタを探しているからです。
具体的なエピソードを盛り込もうとすると日常的な活動の中から選ぶ必要があります。
その観点でいくと身近で取り入れやすいのが、『サークル、ゼミ、バイト』になります。ほとんどの人はこの3つのどれかに該当する日常を送っていませんか?全部該当している人もいるでしょう。
身近にあるネタであれば、具体的なエピソードを書けますよね。あとはアピールする方法を考えるだけですから。
積極性、協調性、忍耐力、負けん気、粘り強さ、好奇心をアピールしようと思えば、これらの言葉だけを用いてはダメです。例えば、具体的なエピソードの内容を交えて、面接官から「積極性があるな」と思わせないといけません。
面接官が好むエピソード
では面接官に好まれるエピソードはあるのでしょうか?
粘り強さ、改善、挽回、忍耐、負けん気、積極性、協調性をアピールしたアルバイトの話?それともサークル?
実は、『こんなエピソードが好まれる』という答えはありません。え、ないの?と思われるかもしれませんが、ポイントはエピソードの面白さや珍しさではないのです。
重要なのは『実体験にもとづいた具体的な話』をどのように伝えるかなのです。どのように面接官へ伝えるかがポイントなのです。実体験と大げさな言い方になってますが、どんな些細なことでも構いません。
エピソードからあなたの人柄や性格、考え方がしっかり面接官に伝わればよいのです。
- 伝え方のポイント
- ・結論を先に伝える
・理由と具体例を示す
・最後にもう一度念を押す
自信を持った表情で、声のハリ、トーン、抑揚をつけ説明することが大事になります。
後は具体的な話ができるジャンル(ネタ)を選べばよいだけです。ジャンルによって、合否や合格率は関係ありません。
よって、自己PRは考えなくても下記の5つからネタを選べばよいです。何しろ9割以上の人が答えているジャンルになりますからね。
9割の人が答えているネタ【ベスト5】
就活生が面接の自己PRでよく使われるジャンルは何なのか、お答えします。また、どんなネタが多いのかも教えます。
過去の就活生が自己PRで使ってるジャンルは5つに絞られます。なんと5つのジャンルが全体の9割以上を占めているのです(※あくまでも私の経験に基づくものです)。
1位 サークル(部活)
大学で一番楽しいのがサークル活動ですよね。ほとんどの人がサークルに入っているので、エピソードが豊富にあります。
サークルで最も多いネタはみんなをひとつにまとめる話です。
<アピールポイント>
・リーダーシップ
・粘り強さ
・調整力
最初は苦労したけど、話し合って最終的にひとつに導いた話です。または、中学、高校とサッカー、野球、バレーボールなどをやり続けてるスポーツ根性系のネタも多いですね。
キャプテンをしていた、調整役になった、盛り上げ役に徹した、リーダーとして引っ張ったという話です。
その他、部員を増やす苦労、部費の捻出、大会への出場、勝つ大変さ、負けたくやしさのエピソードは特に多いです。
これらのネタをもとに実体験を書けばよいのです。面接官の頭の中に映像として浮かべば、成功です。
2位 アルバイト
学費や生活費を稼ぐため大学からアルバイトを始める人は多いはずです。アルバイトで最も多いのは気難しい社員やお客様とのやりとりの話です。
<アピールポイント>
・コミュニケーション力
・適応力
・丁寧さ
仕事の楽しさ、コミュニケーションの重要性、粘り強い対応、丁寧な仕事を心がけたというもの。
その他、お金を稼ぐ大変さ、お金を貯めてやりたいこと、サービスを継続する難しさ、お客様からの感謝やクレームからの対応もエピソードとして多いです。
失敗した話や怒られた内容をどう改善につなげたのか、どう行動に移したのかが見せ場となりますからね。
私はアルバイトの苦労ネタは大好きです
>>【採用者回答】エントリーシートでアルバイト経験が評価される書き方
3位 ゼミ(ゼミナール)
3年の後半から4年になるとゼミへ所属します。主に理系の人は研究のネタが多いです。
ゼミで最も多いのは成果を出すまでの苦労や大変さでどんな工夫をしたのかという話です。
<アピールポイント>
・継続力
・探求心
・あきらめない
プロセスの大事さ、基本に忠実、原因を追究する、すぐ行動に移す、失敗から成功に結びつけたエピソードなど。
その他、チームで取り組む重要さ、忍耐やあきらめない気持ち、先輩や教授とのやりとりを盛り込むとよいです。
どのくらいの時間や日数を費やしたか、具体的な数字を入れるとアピールになります。
4位 趣味・特技
ここからのネタは少数派と考えてよいです。
バイクで日本一周、フルマラソンに参加、水彩画を描く、陶芸、けん玉などの趣味・特技の話です。人との出会い、人に励まされた、集中力が鍛えられたという話もありました。
その他、英会話やTOEIC、資格取得にチャレンジする自己研鑽の話もあります。
5位 家族
こちらものネタも少数派と言えます。
祖父母の介護の手伝い、年の離れた兄弟の世話、自営業の手伝いなどの家族の話です。見た目以上に大変さを痛感した、最初はうまくいかなかった、経験を積むとコツがわかったという内容です。
その他、大きな病気や大怪我をした、身内の不幸から立ち直った話もありました。
自己PRの作成と伝え方のコツ(例文あり)
自己PRのジャンルは考えたのですが、どうやって作成すればいいの?
・自己PRの作成手順はどうすればよいのでしょうか?
・面接官への伝え方にコツはあるのでしょうか?
自己PRの作成手順
ジャンル(ネタ)選び➡キーワード選定➡実体験のエピソード
<ネタ選び>
どれにしようか迷っているならば、自己PRのエピソードネタはサークル(部活)、アルバイト、ゼミの中から選ぶとよいでしょう。
人と違ったエピソードで印象付けなくても大丈夫です。今まで面接した8割以上の人がこの3つのジャンルから作成しています。
<キーワード>
リーダーシップがある、ムードメーカーやチャレンジ精神があると伝えたいなら、必ず理由と具体例が必要です。
本当にリーダーシップがあるなら「自分でリーダーシップがある」とだけ伝えても説得力はありません。
具体的に『いつも私は試合で周りのメンバーを鼓舞する役目だった』とか、『ゼミでは対立する意見をいつもまとめる役だった』などの言い回しをするとリーダーシップがあると伝わります。
リーダーシップやムードメーカーはよく使われる言葉ですが、具体例を挙げて説明しましょう。
<実体験>
実体験に基づく、エピソードを作成します。サークル、ゼミ、アルバイトで褒められたこと、喜んだこと、苦労したことを思い浮かべてみましょう。どんな些細なことでも構いません。
面接官へ伝えるコツ
具体的な実例を交えて、ハキハキ伝えると自信があるように聞こえます。このポイントが評価を上げるか下げるかの分かれ目になります。
<伝え方>
結論➡理由➡具体例➡再度結論の構成で伝えると面接官はイメージしやすくなります。
~アルバイトの例~
私の強みは継続する力です(結論を先に言う)。
まさに継続は力なりを身をもって体感したためです(理由を伝える)。
居酒屋でアルバイトをしているのですが、店長から愛想がないと指導を受けたため、忙しい時、そうでない時も関係なく、笑顔で接客することを1年以上続けました。
その結果、お客様から徐々に名前を覚えられ、よく話しかけられるようになりました。そのお陰で『本日のおすすめ』を伝えるとほとんどのお客様が注文してくれるようになりました。
笑顔を継続した結果、お客様との距離が近くなり、信頼が得られることがわかりました。御社に入社できましたら、この笑顔は継続していきたいです(再度結論を念押しする)。
この手法はPREP法と呼ばれ「Point(結論)」、「Reason(理由)」、「Example(実例・具体例)」、「Point(結論)」で構成すると相手はイメージしやすいので説得力が増します。
~ゼミの例~
私の強みは粘り強さです(結論)。
諦めず試行錯誤し行動に移せば、必ず道は開けるからです(理由)。
ゼミの研究で〇〇の基礎研究をしています。(具体例)
日々思うような結果がなかなかでず、先輩や教授のアドバイスをもらい参考にしましたが、すぐに成果は表れませんでした。
しかし、もう一度基本に立ち返り、1か月間過去の文献や論文を読みあさり、よいと思ったことは失敗を恐れず行動に移しました。試行錯誤を繰り返すうちに新たな発見がたくさん得られました。
失敗を重ねても粘り強く行動すれば、必ず結果はついてくることを実感しました。
そのため、粘り強さなら誰にも負けない自信があり、どんな業務でも諦めず対応することができます。(再度結論)。
面接官に自分は粘り強い人間だとイメージさせることが重要なのです。1年間、1か月間と数字を入れるとイメージを膨らませることができます。
また、成果を出す大変さを入れたり、工夫して改善したことなどをいれると話の流れがよくなります。
<面接官からの印象>
・粘り強い、くじけない
・芯がしっかりしている
・忍耐力がある
とイメージしてくれます。
<アピール>
小さな声、早口、下を向いて話しては説得力が半減してしまいます。まっすぐ目をみて、ハキハキ答えれば、よいアピールになります。
エピソードネタの作り込みも大事ですが、伝え方(アピールの仕方)はもっと大切になります。
内容は今一つでも伝え方次第でよいアピールができます。逆に内容がすごいのに言い方がダメだと評価は下がるのです。
エピソードの完成度<<<伝え方
文章作成のたたき台がほしい
・自分で作った自己PRがイマイチしっくりこない
・全く思い浮かばないため、きっかけがほしい
・内定を取った自己PRを参考にしたい
このような方は自動作成ツールが便利です。
質問に答えるだけで、あなたの特徴がわかります。文章作成が苦手でも5分あれば完成します。
メーカー、商社、金融に内定した実例があるので参考になります。無料で作成できるため、たたき台として活用するとよいでしょう。
奇をてらうと失敗する
他の人には絶対真似できない経験談や面白おかしいエピソードはあまりおすすめしません。
面接官の好みがわかれるためです。奇抜なことを言ってウケる面接官がいれば、引いてしまう面接官もいます。
ちなみに私はウケ狙いは好きではありません。
会社はチームワークで仕事することが多いのため、突拍子もないことをしそうなタイプだなと不安に思うのです。
わかってもらいたいのは、内容のすごさを求めてるのではなく、日常の些細なひとコマを具体的に切り取った方が人間性がでてよいのです。
面接官の評価ポイント
面接官はあなたの自己PRでどのポイントを見ているのでしょうか?
あなたの性格、話の信ぴょう性、面白いエピソードかどうかではありません。さすがに一度や二度面接で会っただけで本当の性格は見抜けません。また、話の信ぴょう性の裏付けなんて取れませんし、自己PRで面白さは求めてません。
- 自己PRの評価ポイント
- ・自分の言いたいことを相手にしっかり伝えられる
・伝えているときの表情、身振り手振りなど
・声のハリ、大きさ、抑揚あるか
・どんな人間性なのかイメージできる
・入社したら役に立つ人材なのか
どこを見てるかというと自己PRの伝え方なのです。
ここがポイント!
「あなたの考え」や「思っていること」がちゃんと面接官へ伝えられる。これが大事なのです。
このことは簡単なようで実は難しい。あなたの友達であれば、性格や趣味、経験を共有しているのでニュアンスだけで伝わります。しかし、初対面や数回会っただけの面接だとムリなのです。
私は聞いていて、「自己PRで何を伝えたいのか?」、「何をアピールしたいのか?」、最後までわからないことはよくあります。そのぐらい初対面で相手に伝えることは難しいのです。
【伝える力】=【コミュニケーション力】と言っていいでしょう。
要はコミュニケーション能力が高いか、低いかで相手への伝わり方が決まるのです。
コミュニケーションは営業職だけが必要になるわけではありません。工場勤務や事務仕事でも必ず上司や取引先、納入業者と関係してきますからね。
企業が新卒に求める能力のアンケート調査で20年連続1位なのがコミュニケーション能力なのですから。
>>面接でコミュニケーション能力の高さをアピールする【テクニック2つ】
日本経済団体連合会
まとめ:面接官の頭の中に映像化させる
自己PRでは様々なエピソードがありますが、就活で話すネタはサークル、アルバイト、ゼミ、趣味特技、家族に関連する5つに集約されます。
他の人が経験したことがないことや面白いエピソードを探そうとすると作成に時間がかかります。
エピソードがなかなか思いつかないなら、サークル、アルバイト、ゼミのジャンルを選べば、悩みが減ります。
自己PRは『具体性』と『アピール』が大事です。要は優れた人材ですよと自慢する内容でなければなりません。
重要なのはエピソードの完成度ではなく、あなたの言いたいこと、気持ちや思い、熱意が採用担当者に伝わるかどうかなのです。
面接官に頭の中にエピソードの光景が浮かぶと説得力が増します。伝え方は重要で声のメリハリや表情、積極的な姿勢などを含め判定されます。
自信をもってのぞみましょう!