世の中がやっと正常化になりつつあります。このタイミングで海外で働きたい、もしくは経験を積んでいずれ海外勤務がしたいと考えてませんか?
保守的な人が多い中、未知なる海外へ挑戦することはすばらしいことです。
どうやって企業を探し、採用担当者へどんなアピールすれば海外勤務を目指せるのでしょうか?
私は大手企業の新卒採用活動を15年以上している現役面接官の「はれきち」です。新卒採用として、実際にマレーシアへ赴任してもらった経験があります(Twitter版はこちら)。
- 海外に出向き職を探すのは無謀
- 最初に確認すべき3つの質問
- 面接で海外勤務したい場合のアピールポイント
- あまり語られない落とし穴
- 海外勤務したくない場合の言い訳
この記事を読めば、海外勤務をさせてもらえるかどうか面接の質問で見極めることができます。結果、海外勤務をさせてくれる企業へ就職できるでしょう。ただし、海外勤務ならではの苦難も事前に把握することができます。
海外勤務は語学スキルより、気持ちや性格が重要視される
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海外勤務できる会社の探し方
海外勤務を希望するなら、働く方法は3つのルートがあります。
・海外に出向き、現地で就職先を探して働く
・国内企業にアプローチして、すぐに海外赴任する
・国内企業に就職して、数年後に異動で海外赴任する
海外で働きたいからといって、いきなり海外に出向き、現地で仕事を探すのは非常にハードルが高いです。というか無謀です。知り合いのツテがないとかなり難しい。
雇い主にビジネスビザを申請してもらわないといけませんからね。
<海外勤務を目指すなら>
国内企業にアプローチして、海外の就職先を探す。もしくは一旦国内企業に就職して、数年後に海外勤務を目指す方法が近道です。
では海外勤務できる企業をどのようにして探すか教えます。
大手就活サイトから探す
リクナビ、マイナビなどの大手就活サイトから会社を探す方法です。大手商社や銀行だけでなく、メーカー、サービス、飲食業界でも海外拠点があることに気づくはずです。
しかし、新卒の募集要項に海外勤務の条件はほとんど記載されていません。その理由としては、海外ではなく国内向けの求人だからです。
よって、会社説明会や面接を通じて、採用担当者に直接確認しないとわかりません。
逆求人サイトを利用する
逆求人サイトのプロフィールに「私はこういう○○の理由のため、海外で働きたい、あるいはベトナムやタイで働きたい」と記入しておけば、興味を持った企業から声がかかる可能性があります。
自分が働きたい企業より、働きたい場所を優先するならよいアピールになります。無料なので登録して損はないでしょう。
新卒の海外求人サイトで探す
国内にいながら、新卒の海外求人サイトで探すパターンです。
★アブローダーズキャリア:東南アジア向けの専門サイト
国ごとに具体的な給与が書いてあるので参考になります。東南アジアはこれから発展が目覚ましいので、狙ってるなら必見です。
就活生が最初に確認すべき3つの質問
国内企業に就職し海外勤務を狙うなら、確認すべきことがあります。通常の新卒求人サイトで海外勤務について募集要項で詳細に書いてある企業はほとんどありません。
海外勤務を狙うなら、企業説明会もしくは一次面接時で確認すべき質問が3つあります。
①海外拠点の募集をしているか
②海外勤務の条件を確認する
③入社して何年で海外勤務できるか
海外拠点の募集をしているか
会社は海外に拠点はあるが海外拠点の新卒採用をしていないことはよくあります。募集しているほうが珍しいです。
そのため新卒採用はしていないが、経験を積めば海外勤務は可能なのか質問しましょう。
国内と海外では戦略が全く異なるので、国内は新卒採用しているが、海外では採用していないことがほとんです。海外は経験豊富な中途採用しか登用しない企業も多いです。
✅ここをチェック!
・新卒採用をしていない場合、国内で経験を積めば行けるのか
・海外拠点は子会社orフランチャイズor提携会社なのか
・人事採用権は国内にあるのか、海外なのか
見落とがちなところとして、海外拠点がパンフレットや会社案内では同じグループ会社のように取り扱っていますが、実はフランチャイズや提携会社になっていることです。
子会社とフランチャイズでは全く異なります。
海外拠点がフランチャイズや提携会社だと別会社になるので、国内に人事権はありません。企業はグローバル化をアピールするためによくやる手なので注意してください。
一番よいのは国内で採用され、出向で海外へ赴任するのがベストです。
給与体系は日本が基準になるからです。当然ですが、海外で現地採用されると、現地の給与体系になります。
海外勤務の条件を確認する
海外勤務が可能とわかった場合、次は条件を確認しましょう。海外勤務の条件は企業ごとに異なります。
新卒でいきなり、海外へチャレンジできるのか、国内で数年経験が必要なのかは大きな違いですよね。
人材スキルのチェック項目として、勤務年数、勤務態度、人事評価、語学スキル、性格診断テスト、能力テスト、短期海外研修経験などの条件が必ずあります。
✅ここをチェック!
・新卒ですぐに行けるのか、国内で経験して行くのか
・語学力はどの程度必要なのか
・どんな人物像が海外勤務できるのか
・海外勤務地の候補はどこなのか
・海外赴任期間の目安はどれくらいか
通常、新卒は中途採用(キャリア採用)と違って、語学力の比重が低いです。もちろん英語、中国語などの語学力を重視する企業はあります。
中途採用は即、海外勤務の可能性はありますが、新卒であれば、国内で実務を経験させるパターンが多いため、時間的余裕はあります。
企業によってはTOEIC〇〇〇点以上という条件があるかもしれません。重要なのは勤務地がどこになるかです。暑い国、寒い国、治安の良し悪し、食べ物が合う合わない、英語が通じる通じないなど不安はつきません。
新卒の海外希望者はどこの国、拠点で働くかほとんど選ぶことはできません。アメリカ、ヨーロッパ、東南アジア、アフリカと拠点があった場合、希望してもほぼ通りません。
人事部の裁量しだいです。面接官によってはエリアを教えてくれる場合があります。でも希望する海外拠点で働けるとは限りません。
そのため、どこへでも行く覚悟が必要です。
ここがポイント!
一番大事なのは海外勤務したい意欲が強いかどうかです。国内では当たり前のことが、海外では当たり前となりません。宗教や食文化も違えば、法律も違いますから。
日本と同じように仕事がスムーズにいくとは限らないのです。そこで大事になるのが逆境に立ち向かう気持ちの強さなのです。
私の会社で新卒で海外勤務してもらう場合は性格診断や危機耐性チェックは必ずやります。
その他に聞くこととして、赴任期間の目安は確認しておきましょう。3年なのか5年なのか10年なのか、期間の長さにより人生設計が大きく変わります。
いずれ日本に帰ってきたいならば、実績を作ってから上司と交渉しましょう。行く前から赴任期間を交渉すると逃げ道を作っていると思われるので注意してください。
入社して何年で海外勤務できるか
入社したらすぐに海外勤務ができると思ってませんか?準備があるためすぐとはなりません。
✅ここをチェック!
・入社してどのくらいの期間で海外勤務できるのか
・国内でどのくらい経験したら行けるのか
・近々で海外に行った事例を教えてもらう
・海外赴任した後のキャリア形成を確認する
入社して5年経験を積んで、希望により海外勤務ができるのか、入社して半年ぐらいで海外赴任できるのかは大きな違いがあります。
例えすぐに海外赴任ができるとしても国内で研修し、必要なビザを取得するのに手続きが必要です。
早い人は1~2年国内で仕事の流れを経験し、海外赴任ができます。遅い人だとチャンスに恵まれず、10年以上を要することがあります。
10年以上経つと結婚していたり、親の面倒を見なきゃいけないなど環境が一変しています。そのため時間がたってチャンスが来ても、今のモチベーションを維持できているかはかわりません。
また、海外勤務を希望したとしても、入社してからチャンスがなかなか来ない場合があります。海外戦略と合致しないといけませんからね。
採用担当者に海外勤務を経験した人のキャリア形成はどうなっているか聞いてみましょう。
何年ぐらい国内で経験し、海外赴任できるのか、また海外経験した後は国内に戻るのか、海外を渡り歩くのか、どのようなパターンが多いかも確認しましょう。
先輩たちの事例を聞くとよいでしょう
面接のアピールポイント
面接のアピールポイントはどこにあるのでしょうか?
私が面接官として、海外勤務に向いている、向いていない人か判断しているポイントを教えます。
・海外勤務をしたい意思が誰よりも強い
・海外勤務したい理由が明確にある
・海外勤務に耐えられる性格である
見ているポイントはこの3つだけです。語学力は新卒なのであまり気にしてません。片言の英会話でも問題ありません。
私の経験上、若いので現地に行けば何とかなります(笑)。
海外勤務をしたい意思が誰よりも強い
一番は意志の強さです。そのうちチャンスがあればとか、どこどこの国ならば行ってもよいという気持ちではダメです。
海外で働きたいという熱意を面接官に伝える必要があります。治安、政治状況、反日、不衛生などんな環境でもやり抜く強い気持ちが大切です。
大事なのは語学スキルではなく、強い気持ちや好奇心なのです。
海外勤務したい理由が明確にある
海外勤務したい理由が明確にあるとよいです。一度体験してみたい、海外旅行の時の印象がよかったではダメです。
こんな薄っぺらい理由では通りません。なにしろ、狭き門ですから。
「人生一度なので絶対にチャレンジしたい」、「世界から日本のいい所、悪い所を見たい」、「日本だけの尺度でビジネスをしたくない」と過去に言った人がいました。やはりそれに近い回答はほしいですね。
『この商品(サービス)を海外で絶対に広めたい』と強くアピールする必要があります。
>>【就活生必見】希望勤務地を叶える5つのアドバイス【採用者回答】
海外勤務に耐えられる性格である
性格が明るい、考え方が前向きでないと現地ではやっていけません。神経質で内向的だと気が滅入ってしまいます。現地では家族や友達はいないため、誰にも頼ることができません。
不衛生な労働環境ではハングリー精神が必要です。海外勤務するのであれば、性格診断、適応能力テストを必ず受けます。
危機管理耐性や適応能力の数値が低いと例え意思が強くても不適合になります。
あまり語られない落とし穴
海外勤務はよいことばかりではありません。しっかり現実に目を向けて、自分の意思を確認してみましょう。
・一時帰国の頻度は年1~2回程度
・キャリアアップするとは限らない
・海外経験が長いと結婚のタイミングが…。
一時帰国の頻度は少ない
一度海外赴任すると年に1~2回程度しか、日本に帰って来れません。お盆や正月程度です。定期的に親や兄弟と会うことが難しくなります。まして、彼女彼氏がいれば、年に2回しか会うことができません。やはり渡航費用がバカになりませんからね。
私の会社では家族を持っているなら、子供の入学式、卒業式に一時帰国をさせています。
キャリアアップするとは限らない
例えば一昔前、ニューヨーク支店、ロンドン支店を経験しないと役員になれないという時代がありました。それぐらい海外経験は重要視されてきました。国内に戻れば、必ずポストが用意されていたのです。海外勤務はエリートコースとされていました。
しかし、時代は一変し、海外勤務を経験したからといって、国内のポストが用意されることは稀なのです。海外勤務=エリートといえなくなっているのです。海外で申し分ない実績を残さないと評価されません。
婚期のタイミングを逃す
若いうちに海外勤務し、赴任期間が長くなると婚期が遅くなるかもしれません。年1~2回程度しか帰国できないので、チャンスも少ないのです。現地だと何しろ、出会う日本人が少ないですからね。
ただし、現地の日本人会や取引先の日本人と仲良くなれば、出会いは増えます。もしくは現地の方と結婚する人もいるでしょう。
ただ、海外経験すれば人生において、価値観や人生観が大きく変わることはまちがいありません。
私は20代の時、手を挙げればよかったなと少し後悔しています
海外勤務を希望したくない場合
このご時世「海外勤務をしたい」ではなく、「絶対にしたくない」と思っている人も多いです。特に商社や売上が海外に依存している企業に就職を考えているなら、シビアに考えなければいけない問題です。
面接であからさまに海外勤務を嫌がると消極的な性格と判断され、不合格となってしまいます。
海外勤務には一定の興味を持つことをおすすめします。商社、メガバンクなら必ず通らなければならない道です。面接の場では、海外勤務に意欲的な面を見せる必要があります。
意欲を見せて、入社したらどうするんだって思っていませんか?
安心してください。
赴任するには必ずヒヤリングして、適合及び性格診断テストを受け、合格しなければなりません。国内のどこかにいきなり飛ばされる転勤とは意味合いが全く違うのです。
海外勤務を当面希望しない場合は人事または上司との面談でしっかり伝えましょう。
人事または上司とは定期的に評定面談をするので、そこで家庭環境が変わり、海外勤務が難しくなったことを伝えるとよいでしょう。
まずは面接に受かることが先決ですから
ビジネスで活かせる英会話
海外勤務を考えるなら英会話の勉強は必須です。学生のうちに経験しておくと、かなり面接で優位に進めることができます。
私の経験上、若さで押し切れば何とかなりますが、多少話せるなら早く戦力として活躍できます。
まとめ
海外勤務を希望する人は積極性があり、バイタリティーにあふれています。最近は転勤を好まず、地元から離れたくない保守的な人が多い中、海外を希望するなら一目置かれます。
会社説明会や面接内で質問ができなかった場合はメールで確認しましょう。
入社がかない、すぐに海外へ行けなくても毎年の勤務評定で海外勤務を熱望すれば、人事部が優先的に配属を考えてくれます。
だから上司との評定面談、人事部の面談があった際はその都度、海外勤務の希望を伝えてください。
必ずチャンスは来ます。ただ、海外赴任が決まることはゴールではありません。
海外勤務することがスタートなのです。