就活の準備として、まず困るのが履歴書の書き方です。学歴や資格の欄はすぐに書けますが、趣味、特技はなかなか書けません。特にこれといった特技がない、趣味がないと余計に悩んでしまいます。
でもせっかく書くなら、採用担当者へ少しでもアピールできる履歴書にしたいですよね。特にスポーツ観戦、読書、音楽鑑賞と書くと全くアピールにならないのは知っていますか?
私は大手企業の新卒採用活動を15年以上している現役面接官の「はれきち」です。今まで、何千何百の履歴書を見てきたので、どのような趣味・特技の書き方をしたらよいのか教えることができます。
- スポーツ観戦、読書、音楽鑑賞では目にとまらない
- イメージできるよう具体的かつ簡潔に書く
- 履歴書はあなたの取扱い説明書
この記事を読めば、採用者の目にとまる趣味・特技を書くことができます。面接時のアイドリングトークとして、重要なツールだとわかるでしょう。
初対面だと趣味、特技の欄が話のとっかかりになる
~文系就活生が登録すべきおすすめ就活サイト3選~
・文系比率8割以上で特に女性登録者が多い
・紹介案件は3,4件のみで不要なメールがこない
・Googleの口コミが4.7の高評価
・就活に出遅れたと思ってるなら必須
・逆求人サイトなら絶対登録すべき神サイト
・登録企業18,533社からのオファーは内定への近道
履歴書の趣味、特技とは
そもそも履歴書のフォーマットは決まっているのですか?
履歴書は指定の書式が決められているわけではありません。
証明写真、現住所、学歴、自己PR、志望動機、長所短所、資格、研究テーマと履歴書の種類によってあつかう項目がことなります。
その中で趣味、特技はプライベートが垣間見えるポイントです。自分はどのような人物か趣味、特技を通じて、相手にイメージさせることができます。
要するに履歴書は「自分はこういった人です」と相手に伝える取扱説明書のようなもんです。
どの項目もしっかり埋めましょう
ダメな趣味、特技の書き方
私は「このような人物ですよ」と採用者(面接官)へアピールしなければなりません。勘違いしてほしくないのは決して、おもしろい趣味、変わった特技を書くことでじゃありません。
あなたの個性が面接官に伝われば十分アピールになるのです。ただし、記入する上で5つの注意点があります。
1.抽象的はダメ→具体的に
2.長文はダメ→簡潔に
3.うそはダメ→事実のみ
4.ギャンブル・宗教はダメ
5.書かないのは一番ダメ
抽象的はダメ→具体的に
一番多いダメな例です。
ほとんどの人がかなり損をしています!
趣味:スポーツ観戦、音楽鑑賞、読書は山ほど見てきました。面接官はまったく目にとまりません。あまりにもありふれているからです
<なぜ、目にとまらないか?>
・見慣れている
・抽象的で範囲が広すぎ
・イメージできない
よって、印象に全く残らないのです。実はこの書き方ををやめるだけで、他と差別化できます。まるで決まり文句のように書いている人がほんと多いです。
例えば趣味を、
①スポーツ観戦→「サッカーのJ2観戦」
②読書→「戦国時代の歴史小説」
③音楽鑑賞→「1960年代の洋楽鑑賞」
具体的に書いた方が相手に興味を持ってもらえるのです。面接官は次のような質問をしたくなります。
→①なぜサッカーのJ1ではなく、J2なの?
→②戦国武将で誰が好きなの?
→③そんな古い洋楽をなぜ知ってるの?
そのように聞かれれば、しめたものです。会話が弾むので、緊張が一気にとけます。スポーツ観戦や読書だけだとそうはいきません。
面接官が具体的にイメージでき、質問したくなるような書き方がベストです。
音楽鑑賞ではなく、
劇団四季のミュージカル鑑賞と
すると具体的になります
長文はダメ→簡潔に
アピールしたくて、エピソードを長く書く必要はありません。
特技でサッカーをアピールしたくて、小・中・高校生の細かい実績をたくさん記入したり、苦労話などのエピソードが長いと読む方はしんどくなります。というか、途中であきらめて読むのをやめてしまいます。
例として、
特技:サッカー(高校県大会ベスト4)
面接官に読みやすく、簡潔にまとめる方がイメージできます。
うそはダメ→事実のみ
アピールしたくて、あるいは何も思いつかなかったので、ネットで調べてうその趣味・特技を記入してはいけません。
面接官から質問があった場合、うそとわかると即不合格になります。運よく一次を突破できても、最終面接で突っ込まれ、落ちることがあります。
趣味・特技でうそがわかると履歴書全体に疑いをもたれ、信ぴょう性がなくなります。
冒頭で履歴書はあなたの取扱い説明書だと伝えました。うその取扱い説明書となれば、誰も見ないですよね。
ギャンブル・宗教はダメ
面接官に好意的に受け取れないことは避けましょう。例えば趣味・特技が、
<ギャンブル系>
・パチンコ
・競馬
・競艇
<熱中系>
・ネットゲーム
・e-スポーツ
・ユーチューバー
ギャンブル、熱中系は本業の仕事以外に依存度が高くなるので印象が悪くなります。例え事実であっても控えましょう。
ただ、パチンコ業界、ネットゲーム業界を志望するなら問題ありません。
趣味・特技で特定の人物を崇拝していることがわかると偏った考えの持ち主だと判断されます。趣味で「人を幸せにすること」や「布教活動」などは宗教色が強いと、敬遠されます。
面接官は仕事に集中できる環境にあるかを見ています。変わった思想や依存していると判断されれば、避けられます。
書かないのは一番ダメ
空欄に全く書かないのは絶対にダメです。毎年、極少数いますが…。
書かないと『自分の個性はありません』と言っているようなもんです。面接官は未記入だと全く興味がわきません。
趣味・特技:『特になし』と記入しても印象は同様に悪くなります。
よく考えてください。
採用者に「私はこういった人物ですよ」とアピールできなければ、内定は勝ち取れません。
空欄は「アピールしません」と同類語と認識しましょう
面接官の目にとまる書き方
趣味、特技は具体的で簡潔に書くことが必須です。ポイント3つあります。
・面接官がイメージできる
・面接官が質問したくなる
・面接官のパターンにないもの
面接官がイメージできる
面接官に想像してもらうことが大事です。想像できないものはスルーされます。スポーツ観戦や音楽鑑賞、読書ではざっくりしてイメージできません。
イメージさせるにはスポーツ観戦ではなく、野球なら高校野球観戦、サッカーならJ2観戦と一歩踏み込む必要があります。
観戦して好きになった競技があれば、テコンドー、フェンシングもよいでしょう。
<趣味>
- 読書→推理小説、歴史小説
- 釣り→磯釣り、渓流釣り
- 映画→アクション映画、コメディ映画
- テニス→軟式テニス歴8年
- 筋トレ→筋トレ歴3年、ベンチプレス80㎏
- ウォーキング→ウォーキング1時間、5㎞
書き方としては読書(推理小説)、筋トレ(筋トレ歴3年)のように記入すると目にとまります。年数を入れるとさらにイメージが湧きます。
<読書>
- ダンス→ヒップホップ、ブレイクダンス
- 裁縫→服作り、パッチワーク
- ボウリング→ボーリング(ハイスコア260)
- けん玉→日本けん玉協会3級
- 料理→料理(魚の3枚おろし)
書き方としては裁縫(パッチワーク)、けん玉(日本けん玉協会3級)のように記入すると目にとまります。数字で示すとイメージ湧きます。
面接官が質問したくなる
面接官が質問したいなと思わせたら、勝ちと言っていいでしょう。
・プロ野球ではなく、なぜ高校野球なの?
・サッカーはJ1ではなく、なぜJ2なの?
・フェンシングって珍しいけど、学生時代にやっていたの?
面接官に想像をかきたてれば、距離感を縮められます。あなたに興味を持ってもらうことが重要です。
私は履歴書の趣味・特技で興味をもったら、必ず面接の始めに聞くようにしています。かなり打ち解けることができます。当然、その後のやり取りがスムーズになるのはいうまでもありません。
興味を持たれるとあなたと面接官の距離感はグッと近くなります。
面接官のパターンにないもの
面接官のパターンにないものが目にとまります。面接官は何百、何千もの履歴書を見ているのでパターンができているのです。
✅趣味で言うと
スポーツ観戦、映画鑑賞、音楽鑑賞、読書、料理、旅行、ウォーキングなど
✅特技で言うと
野球、サッカー、バレー、バスケなどのスポーツ、料理、読書、コミュニケーションなど
これらは山ほど見てるので面接官の目にとまりません。残念ながら、脳みそがスルーしちゃいます。
少し変化をつけた趣味、特技でないと目立ちません。例えば、このような趣味、特技はどうでしょうか?
✅趣味は
カバディ、ボルダリング、ひとりキャンプ、古寺巡り、DIY、パン屋さん巡り、植物標本作り
✅特技は
一筆書き、強調した似顔絵作成、パントマイム、顔と名前覚え、早起き
珍しい(笑)、なぜ?、何が面白いか教えて?ってなりませんか。
でも無理して作らなくても今持ってる趣味、特技を具体的に表現すればよいだけです。
趣味、特技のアピール度
よく書かれる趣味、特技のアピール度を私の経験で評価してみました。就職して役に立つ、あるいは共感されるものは評価が高くなります。
趣味・特技 | 評価 | 備考 |
野球 | △ | 草野球なのか観戦なのかわからない |
ゲーム | × | 避けた方がよい |
ボカロ | × | ベテランの採用者はわからない |
プログラミング | ◎ | かなり重宝がられる |
旅行 | △ | 海外、バス、古寺巡りなど詳細必要 |
料理 | △ | イタリアン、煮込み、食べ歩きなど詳細必要 |
イラスト作成 | 〇 | 得意なジャンルがわかるとさらによい |
英語 | ◎ | 英会話は必ずアピールすべき |
園芸 | 〇 | 食品系を狙うなら好感持たれます |
麻雀 | × | 飲みの席で話す趣味 |
ゲーム | △ | e‐スポーツの方がイメージよい |
節約 | 〇 | 面接官がどんな節約なのか食いつく |
自分磨き | △ | 具体的な内容にしないとスルーされる |
占い | × | 占いを信じない人は多い |
暗算・そろばん | ◎ | 業務で活かせる |
趣味・特技が全く浮かばない
自分にこれといった趣味・特技がなく、全く浮かばない時はどうしらよいのでしょうか?
大丈夫です。全く問題ありません。書き方にちょっとしたコツがあるので、アドバイスします。
休日何しているかを考える
趣味に関して、思い浮かばないなら休みの日を考えてください。
買い物に行く、掃除する、録画したドラマをみる、料理する、犬の散歩をする、雑誌を見るなど。そこから広げると書きやすいです。
買い物であれば、洋服、日用品、食料品があるでしょう。少しでも良いもの、安いものを探してませんか?
洋服であれば、
趣味はジーンズの買い物(古着でいい物を安く買う)
犬の散歩であれば、
趣味は愛犬と散歩:犬とたわむれ(ストレス解消)
日常の行動を趣味に取り込みましょう。書けないと思っているのは日常の行動を意識していないだけなのです。
褒められたことを考える
では特技が全く浮かばない時はどうでしょうか?持っている資格や親、友達に褒められたことを意識してみてください。
英検~2級、簿記~2級、ダイビングライセンス、大型二輪、漢字検定~2級、そろばん〇段、書道〇段、柔道〇段、空手黒帯など
上記のような資格があれば、りっぱな特技になります。
資格がない場合は、親、友達に褒められたことを思い出してください。
集合時間前に必ずくる、掃除が丁寧、字がきれい、スマホの検索が早い、車の運転が上手い、手先が器用、気持ちの切り替えが早いなど
親、友達、先生、研究室、サークルの先輩、後輩から褒められたことを思い出しましょう。
例えば掃除が丁寧とサークルの先輩に褒められたのであれば、
特技は掃除(効率よく目の届きにくい場所までやる)
面接官になぜ?と聞かれれば、サークルの先輩に褒められたことがあると言えます。
気持ちの切り替えが早いと親に褒められたなら、
特技は早い気分転換(すぐ前向きな気持ちに切り替えられること)
特技は資格や褒められたことを意識すると書きやすいのです。
趣味と特技のどちらに書くか迷う
趣味や特技を考えていると「これはどちらに入るのか?」、悩むことがあります。例えば、ボウリングは趣味にできますが、特技にも入ります。
どのように考えたらよいのでしょうか?
趣味は他の人にどう思われようが、好きで定期的にやっていることです。上手い下手、得意苦手は関係ありません。よって、ボウリングが下手でも好きなら趣味になります。
一方、特技は「特別な技」なので、他の人より優れていると思えば特技になります。厳密なルールはないので、ちょっとでも優位性を感じればOKです。よって、ボウリングのハイスコアが180で他の人より優れているなら書けばよいのです(あくまでも自分基準で大丈夫)。
数値化できない掃除や片付け、料理は趣味や特技にも入ります。他の人と比べて、少しでも優位性を感じれば特技になります。得意ではないけど好きでやっていれば、趣味に入れればよいです。
志望動機ジェネレーターは簡単な質問に答えるだけで「たたき台」ができます。考えすぎると時間がもったいないので、まず一度作ってみましょう。
\無料!質問に答えるだけ3分で完成/
履歴書でよく聞かれる質問
履歴書は「あなたの取扱い説明書」、「売り込むためのプロフィール」、「自慢エピソード集」といえます。
面接官はあなたの基本情報が詰まっている履歴書を大切な面接ツールと捉えています。そこでよく聞かれることは、
・履歴書は手書きorパソコンどちらがよい?
・履歴書は大学指定or市販品?
・証明写真は写真屋orスピード写真?
手書きorパソコンどちらがよい
ひと昔前は手書きの方が心がこもってよいとされていた時代がありました。しかし、今ではそんなことはなく、どちらでも構いません。
就活は1社だけではないので、効率を考えればパソコンで打ち込む方がよいでしょう。ちなみに私なら、字が汚いのでパソコンを選択します…。
企業によって、就活サイトの履歴書を使う場合はパソコンが必然になります。このパターンは増えつつあります。
大学指定or市販品どちらがよい
大学指定及び市販品のどちらを使用しても合否影響はありません。
アピールしやすい方を使えばよいです。例えば、自己PR、志望動機の欄が大きい方など。
注意点として、空欄をつくらないよう項目はしっかり埋めましょう。
証明写真は写真屋orスピード写真
こちらもひと昔前はスピード写真の質が悪かったので、写真屋で撮ってもらうのが常識でした。しかし、現在はパスポート写真でも問題ないくらい質が向上しています。
家から近く、安く、すぐ撮れるスピード写真で構いません。
ただし、アナウンサー、美容関係、キャビンアテンダントは写真屋の方がよいです。
詳細を知りたい方はこちらを参考に。
>>【証明写真】就活でスピード写真ダメなの?大丈夫な理由とコツ教えます
まとめ
趣味・特技はあなたの個性を採用者にアピールするチャンスです。履歴書はあなたの取扱い説明書ですから。
自己PR、志望動機に力を入れすぎ、趣味特技は適当に流してはダメです。
趣味・特技は一次面接の取っ掛かりのときに、話す大事なネタになります。雑談で打ち解けることができれば、リラックスして本番に望めます。
面接は最初から本題に入るのではなく、「趣味・特技」で少し場を温めてから面接に入ります。
記載のポイントは抽象的ではなく、具体的かつ簡潔にすることです。ほとんどの履歴書がスポーツ観戦、音楽鑑賞、読書と抽象的なので、具体的に少し踏み込むだけで差別化できます。
おもしろい趣味、珍しい特技を記載しなくても十分採用者へアピールすることができるでしょう。