大学の先生や研究室の教授から「○○企業を紹介できるが、受けてみるか?」あるいは「○○企業なら知り合いがいるから受けてみたら?」といわれ迷っていませんか。
・あっさり断るべきか
・ちょっと興味あるので受けてみるか
・受けて内定もらうと断れないのか
考えますよね。
このようにゼミの先生から企業紹介があった場合、どうしたらよいのかお答えします。
私は大手企業の採用活動を15年以上している『はれきち』です。大学の先生とパイプがあり、紹介を受けて入社される方もおられます。ではどのようなポイントに注意すればよいか、教えていきます。
- 紹介企業と先生に太いパイプがあるとは限らない
- 関心が高い業界以外は受けない方がよい
- 受けた場合のメリットとデメリット
- 内定を辞退する場合の注意点
この記事では先生からの企業紹介は自分の関心が高い業界などの条件がそろっているなら、受けるとよいことがわかります。受けるメリットして、採用面接で加点してもらえます。企業と太いパイプを持っている先生だと紹介だけで入社が可能です。ただし、内定を辞退する場合は細心の注意を払う必要があるでしょう。
まずは紹介を受けた企業と先生の関係性を確認しましょう
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大学の先生と企業の関係性について
まずは大学と企業の関係性ですが、大学の先生によって様々です。太いパイプがあるところから全くないところまであります。
企業は大学自体と太いパイプがあるわけではなく、ゼミの先生あるいは就職担当の先生とパイプがあるのです。
<大学の先生とよい関係性を生む条件>
・企業との共同研究をしている
・ゼミあるいは大学の卒業生が多数活躍している
・新卒がコンスタントに入社している
決して、ワイロや金銭の授受で良好な関係性を築いているわけじゃありません(笑)。それだと捕まってしまいます。
企業との共同研究
共同研究すると大学の先生、ゼミの学生に対して良好な関係性を築くことができます。同じ目的に向かって進めていきますからね。特に先生とは定期的に情報交換しているので、親密な関係性となります。学生の方から研究を通じて企業に関心をもってもらい、採用面接に参加される方もいます。
ゼミあるいは大学の卒業生が多数活躍
企業としては特定の大学だけを優遇しているわけではありません。ただし、学内インターンシップ、学内企業セミナーの依頼は企業側からのアプローチだけではできません。実は大学側から企業への働きかけがないとできないのです。
就職担当の教授やゼミの先生は企業で卒業生が活躍していることをほんと喜んでくれます。
訪問した際は先生と以下のような会話をよくしています。
<会話の例>
・○○君はゼミではだらしなかったのに管理職になりましたか(笑)うれしいな。
・○○さんはまじめで努力家だから、御社でもきっと活躍できるんでしょうね。
・○○君は意外とひょうきんな一面をもっているから、ああいうタイプが部署にひとりいるといいでしょ。
採用担当者は年に1度大学へ訪問し、ゼミや就職担当の先生へ近況報告をしています。
新卒がコンスタントに入社
景気がよいとき、悪いとき、関係なく毎年コンスタントに入社していることが、大学や先生にとって一番うれしいのです。
どんなに偏差値の高い大学でも就職に弱いと学生から人気はでません。逆に偏差値はそれほどでもないけど、企業とパイプをたくさんもっている大学は強いですからね。いわゆる就職に強い大学と認識されます。
毎年採用していると、当然先生から学生へ「あの会社は景気いいぞ」と宣伝してくれますからね。
大学にとって就職先の実績は大事ですからね
先生からの企業紹介は受けた方がよいか?
企業と大学の関係性を理解してもらったので、本題にはいります。
では先生から企業紹介があった場合、受けた方がよいのでしょうか?
その場合、次の3つのポイントを考慮しましょう。
・紹介先が関心ある業界である
・やりたい職制である
・中小企業ではなく大企業である
紹介先が関心ある業界である
そもそも紹介を受けた企業があたなの関心ある業界なのかは一番大事です。たとえば、製薬業界への関心が高いのに、倉庫業や流通業を紹介されてもピンときませんよね。
せめて、医療機器や臨床検査なら検討の余地はありますが、あまりにもかけ離れているとやめた方がよいです。
やりたい職制がある
たとえ関心が高い業界であっても研究職と営業職とではまったくやることが異なります。研究職にこだわっているのに営業職で入社するとギャップに耐えられず、やめることになります。
紹介企業があった場合は
・技術職(生産、製造などの工場で働けるのか)
・研究職(品質管理、開発にたずさわれるのか)
・営業職(本社あるいは地方勤務できるのか)
・事務職(総務、経理にたずさわれるのか)
どんな職制なのか確認しましょう。
中小企業より大企業
紹介された企業が従業員数10名程度の中小企業だと先行きが不安になりますよね。資本金1億円や従業員100人以上の安定している企業かどうか調べる必要があります。
大企業への紹介なら、安定と成長が期待でき、かつ給与もよいです。しかし、ベンチャーや中小企業は福利厚生、有休消化など期待できませんからね。
私はゼミの先生から、環境アセスメントにたずさわる小さな会社の紹介を受けた経験があります。そこは10人未満の小さな会社でした。もちろん聞いたことがない会社です。調べると売り上げは1億以下で、比較的歴史の浅い企業でした。私はさすがに不安になり、断りました。
紹介を受けた場合のメリット
先生から企業紹介を受けた場合のメリットはなんでしょうか?
これは先生と企業とのパイプの太さによって、まったく変わります。
パイプが太い場合
パイプが太いパターンは先生の推薦だけで入社できる強力なコネです。とはいっても企業側も形式的な面接は行います。
わずらわしい就活を経験せず、入社することができます。まさに就活の最短ルートといえるでしょう。
そのほか、一次面接の免除や採用面接で加点がつくことがあります。
私の会社では先生からの推薦があれば、加点をしています。
その理由として、採用面接ではせいぜい会話をしても、数十分程度です。その面接時間だけで、合否の判定をしなければなりません。人間性を深く知ることは正直、難しいですからね。その点、大学では先生と学生が接している時間は授業、ゼミとかなり長いです。私より人間性の本質を見抜いています。
・まじめさ
・明るさ
・行動力
・態度
・質問力
・協調性
・忍耐力
さらに私の会社に向いている人材かどうかは先生も詳しく把握しています。その上で紹介をもらっているので、本当に信頼しています。
パイプが薄い場合
パイプが薄くても先生が企業紹介することがあります。企業とのパイプがなくても、毎年採用してくれる企業はチャンスがあるので、先生としたら学生へすすめたくなりますからね。
先生が、あの企業はうちの大学からかなり採用してくれている。だから、受けた方がいいぞ、あるいは是非エントリーしてみたらと。
このような場合、加点は一切ありません。特定の先生からメールや電話で「○○さんが御社を受けるのでよろしく」と言われれば別ですが、そうではないですからね。
企業とパイプが太いと強力なコネになります
先生と企業とのパイプの太さはどうやって見極める?
紹介を受けたら、企業とのパイプの太さを探る必要があります。パイプが太い場合は先生から紹介受ければ、入社しなければなりません。その覚悟がいります。薄い場合はまったく、気にしなくてよいです。内定をもらおうが、不合格になろうが問題になりません。
パイプの太さは先生へダイレクトに聞くのが早いです。
・企業とのパイプがあるのですか?
・なぜ紹介ルートがあるのですか?
・企業への推薦があるのですか?
これらの質問に対して、先生が「イエス」なら企業とのパイプは太いと思って問題ありません。質問すると企業との関係性がより詳しくわかります。
私の会社ではありませんが、共同研究をしていると優先的に採用する企業があります。
一方、そんなものはないと言われれば、先生の願望と考えてよいでしょう。
私はこの先生の推薦なら大丈夫だと思える人がふたりいます。具体的にはこのようなメールがきます。
御社に○○さんを推薦したいので、是非面接していただけないでしょうか?
推薦理由について、...よろしくお願いします。
ちなみに昨年はその大学から10名程度の学生が採用面接に来られました。しかし、先生からは全員ではなく名指しで推薦がくるのです。もちろん先生が推薦した人と採用面接で合格した人に入社いただきました。
紹介を受けた場合のデメリット
紹介を受けた場合はメリットばかりじゃありません。
もちろんデメリットも存在します。
・数多くの企業から選択することができない
・内定をもらうと断りにくい
紹介を受けると簡単に入社できる一方、ほかの企業への選択肢はなくなります。もっとこういう企業がよかった、あるいはこの企業に就職したかったなど、自分の願望とは違う方向で決まることがあります。
ただ、一番の問題は紹介を受けて、内定もらった後に辞退することです。内定をもらって、やっぱり違う企業がよいとなれば、先生と企業の両方メンツをつぶすことになります。そうなれば企業と先生の信頼関係にひびが入りますからね。
先生から紹介を受けるなら、入社してもOKじゃないとダメです。ただし、一度しかない人生なのでもう一社の方にどうしても行きたい場合は、先生と企業へ丁寧なお詫びが必要です。
内定を辞退するなら、細心の注意を払うことになります。メールだけでなく、手紙を添えて企業側へ辞退届を提出しましょう。もちろんその前に先生への相談は忘れずに。
詳しくは下記を参考にしてください。
まとめ
先生から企業紹介を受けた場合、企業とのパイプの太さを確認してください。パイプが太い場合は受けると入社する覚悟が必要となります。
受ける際は関心ある業界なのか、職制は希望と合致しているか、中小ではなく大企業なのかを考慮してください。万が一内定をもらって、辞退するなら丁寧な説明が必要となります。もし先生と企業の間に信頼関係がなくなれば、翌年から後輩への推薦が出しにくくなりますからね。
紹介をもらった企業があなたの志望と合致するなら、これほど楽な就活はありません。よく考えて受けましょう。