【採用者回答】入社承諾書提出しても辞退は可能、ただし注意点あり

2020年5月19日

第一希望の企業からの入社承諾書であれば、喜んでサインしますが、第二、第三希望が先に届くと躊躇しますよね。

入社承諾書は一旦提出すると、後から辞退できるのでしょうか?

・他社の合否を確認してから提出したい

・複数内定をもらっており、もう少し考えたい

・とりあえずキープして就活したい

簡単に提出してよいものなのか考えますよね。

私は大手企業の新卒・中途採用活動を15年以上している現役面接官の「はれきち」と申します。採用する側の立場として、あなたの悩みを少しでも解決できるよう合否のポイントをぶっちゃけて配信しています(Twitter版はこちら)。

この記事でわかること
  • 入社承諾書は法的拘束力がない
  • 入社承諾書を提出後に辞退はできる
  • 辞退理由は正直に早く伝える
  • お断りメールおよび手紙の書き方
  • 辞退者は一定数いる

入社承諾書は提出期限までに送らいないと辞退とみなされます。

一旦保留はできないので、迷うのであれば承諾して提出しましょう。

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入社承諾書とはどういう意味

最終面接を見事合格すれば、採用内定の通知書が届きます。

その通知書に同封されているのが『入社承諾書』または『内定承諾書』です。

では入社承諾書とはどういった意味なのでしょうか?

要は「企業があなたを採用に内定したので承諾してください」という書類なのです。

つまり入社の意思を示す書類とされています。

特別な理由や健康上の問題、やむを得ない事態がない限り辞退することができないと記載してあります。

一番最初に企業と約束を取り交わす書類となります。

署名や印鑑はもちろんですが、保証人を記入する場合があります。

会社によって、内定承諾書、内定誓約書、入社誓約書とも呼ばれます。

企業との契約書なのでどのくらいの法的な効力があるのか気になりますよね。

→法的拘束力はありません。企業とあなたが約束した文書となります。

辞退したら損害賠償を請求されることはありません。

ただ、承諾書を提出して、入社ギリギリで辞退するとかなり迷惑をかけることになります。

企業のメリット

企業が入社承諾書を交わすメリットは【入社の意志を確認できる】ことです。

内定を出しても入社するか、しないか入社までわからないと採用人員に大きな狂いが生じますよね。

企業は入社承諾してもらえば、一定の縛りを設けることができるからです。

それだけ入社承諾書を提出すれば、就活を終える人が多いのです。

就活生のメリット

最終面接を合格し、採用内定が決まりましたと口答で伝えられても証拠とはなりません。

通知書をもらうことで確実に採用されたことを実感できます。

書面で承諾することで企業に入社の意思を示すことができます。

はれきち

コロナ前後で考え方が
大きく変わりましたから

入社承諾書を提出しても辞退は可能

入社辞退

入社承諾書には健康上の問題や正当な理由なく拒否しない旨が書いてあります。

さらに署名や印鑑、保証人まで記入するので『必ず入社しないといけない』と感じますよね。

ここでいう「健康の問題」や「正当な理由」とはどんなことを指すのでしょうか?

健康上に問題がある場合

内定をもらった後に病気を発症し、業務に支障がでる、またはうつ病を発症し働くことが難しいなどの問題を言います。

正当な理由がある場合

病気で働くことが困難になったというのもひとつの正当な理由に該当します。

もしくは家業を継ぐことになった、家族に緊急事態が起こり、入社できなくなったなどです。

その他の理由の場合

純粋に「御社より行きたい会社が見つかった」、「よく考えて他社に決めた」、「勤務地を考慮して他社へ」の場合です。

その他の理由は受け入れられないと思われがちですが、実はそんなことはありません。

<余談>

私の会社で辞退の申し出がある時は

・親が病気にかかって、実家を離れることができない。

・親の反対があり、御社に就職できなくなった。

ほとんど親がらみの辞退が多いです。

第一希望の他社に決まったので辞退させてもらいます。実はこのように伝えてもらった方が助かるのです。

例えどんな理由であれ、法的には、承諾書を提出しても雇用契約を結んでいないので辞退は可能です

ただし、入社承諾書は雇用契約に近い状態にあると言えます。

安心してください。

提出後に辞退して訴えられたり、罰則はありません。

これはあくまでも企業側が就活生を縛る策として講じているものなのです。

早い段階で何人が入社の意志を固めてくれたのかを確認したいのです。

採用の予定人数に達すれば、採用活動を停止するし、逆に不足していれば追加採用しなければなりませんから。

注意点あり守らないとトラブルに

入社承諾書は提出しても辞退できることはわかりましたよね。

ただし、注意点があります。

守らなければ、後でトラブルになる点があります。

辞退は入社の2週間前まで

雇用契約を結んでいないからと言って、いつでも辞退ができるわけではありません。

3月31日までに辞退を伝えればよい」と考えてはいけません。

あくまでも入社承諾書は雇用契約に近い書類となります。

これは民法627条1項で退職の自由が認められているのですが、正社員は2週間前に伝えないと退職できないということです。

入社承諾書は雇用契約に近い書類のため、入社辞退の意思表示は入社する2週間前までに伝えなければなりません。

《民法627条1項》
当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申し入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申し入れの日から2週間を経過することによって終了する。

よって次の場合は支払いが発生する可能性があります。

<ギリギリまで辞退連絡をしなかった場合>

・会社が賃貸契約(社宅)を結んでいる

・会社が作業服、安全靴、保護具をすでに準備

会社があなた用に社宅として賃貸契約を結んでいれば解約費用が発生します。

もしくは入社を想定し、あなた専用の作業服、安全靴、保護具を準備している場合は請求されるかもしれません。

早めに辞退を伝えることが重要です。

入社承諾書の提出は保留できない

入社承諾書の提出期限は短めに設定されています。

早いと2週間、遅くても1カ月以内に提出期間が設定されています。

入社日まで提出すればよいものではありません。

あくまでも企業側があなたの入社意志を早く確認するための書類なのです。

よって返信期間が短いので悩むのです。

例えば、

・第一希望の面接結果がこれから
・他の企業の就活がまだしたい
・入社するか迷っている
・とりあえずキープしておきたい
・選択肢を増やして選びたい

返信期間が長ければ、ほとんどの悩みが解決できます。

しかし、入社承諾書の提出を保留したり、猶予を設けてもらうことはできません。

一番やってはいけないことは承諾も辞退もしないことです。

提出期間を過ぎると、「企業は入社の意志がない」と判断します。

後で「やっぱり入社したい」と言っても他の人をすでに入社させているので無理です。

迷ったら承諾書は「承諾」して、提出しておくことです。

>>【複数内定から1社へ】簡単!迷わない選び方は数値化できる基準で決める

辞退を申し出るとき

では辞退を申し出るとき、どのような点に注意したらよいのでしょうか?

ポイントは3つです。

・辞退するなら早めに
・辞退すべき理由を伝える
・紹介された場合は謝罪必要

辞退するなら早めに

入社承諾書を提出した後、第一志望に合格した場合は早めに辞退を知らせましょう。

電話、手紙、メールどの手段でもよいので早く辞退を知らせることが重要です。

手紙電話の方が丁寧でよいですが、企業はスピードを重視するためメールで先に知らせるとよいです。

最近はメールのみで辞退を知らせる人が多くなっています。

企業側で考えると、人事部は決まった人数の新卒を採用しなければなりません。

採用予定を100人であれば90人や110人ではダメなのです。

次年度計画や中長期計画に基づき採用人数を決めているからです。

また、人員の予算も決まっているため。

そのため辞退がわかれば、速やかに次の人を採用しなければなりません。

辞退すべき理由を伝える

一番ダメなのは入社承諾書を提出せず、辞退の理由も伝えないことです。

反応がないと入社を断るのか、書類を確認していないのか、書類が届いていなのか、メールを見ていないのかわかりません。

また、辞退するので返答しないもダメです。

入社承諾書を提出しない場合は速やかに辞退理由を伝えてください。

もちろん入社承諾書を提出後に辞退する場合理由が必要です。

ここがポイント!

正直に伝えた方が誠意が伝わります。

『親が病気になった』、『介護が必要になった』

このような理由は多いですがダメです。

人事部もまたいつもの言い訳かと思ってしまいます。

ここは正直に

申し訳ありません、他社に決めました

こちらの方が潔いです。

そうなると企業側は魅力がなかったと諦めがつきます。

正当な理由を探そうと時間をかけてはいけません。

理由によって罵倒されたり、嫌みや文句を言われることはありませんから。

紹介された場合は謝罪が必要

教授やゼミの先生に紹介をもらった場合は丁寧な謝罪が必要です。

企業側にも丁重なお詫びと教授やゼミの先生にも謝罪が必要です。

先生の信用問題に発展すると次回から後輩へ紹介ができなくなります。

紹介を受けて辞退する場合の謝罪はメールではなく、電話及び手紙で丁重にお詫びしましょう。

ここでは正当な理由がないと後輩への推薦がなくなることも。

はれきち

コロナ前後で考え方が
大きく変わりましたから

辞退するときの文書

入社承諾書をもらってすぐ辞退する場合や一旦承諾を提出して、後で辞退する場合は必ず辞退する旨を連絡しなければなりません。

正当な理由や細かい内容は不要です。

シンプルに伝えれば問題ありません。

文書の場合

○○株式会社

人事部□□様

入社承諾書辞退の件

私、○○は採用内定のご連絡をいただきましたが、都合により他社への入社を決意いたしました。

誠に勝手ながら内定を辞退させていただきます。

以上

2021年〇月〇日

東京都○○区○○2丁目〇〇

入社 太郎 印 

縦書き、横書きどちらでも構いません。

早く知らせることが大事です。

メールの場合

メールの件名に入社承諾辞退の件【名前〇〇】と入れてください。

○○株式会社

人事部□□様

お世話になります。

先日、入社承諾書を提出いたしましたが、熟慮した結果、他社への入社を決意いたしました。

入社承諾書を提出したにもかかわらず、辞退する形になり、誠に申し訳ありません。

本来、直接お詫び申し上げるべきところ、メールでの連絡となりご容赦いただければと存じます。

どうぞ宜しくお願い致します。

東京都○○区○○2丁目〇〇

入社 太郎

メール提出後、電話でお詫びをすれば手紙は不要です。

入社辞退連絡はいつまで

入社辞退の連絡はいつまでにするのがよいのでしょうか?

さすがに入社間近の3月中旬まで引っ張る人はほとんどいません。

就活は4月~本格的に始まり、6月までに一区切りを迎えます。

よって、6月末までに辞退を伝えることができたらよいでしょう。

企業側から言わせてもらえれば、早ければ早いほどよいのですが、どんなに遅くても9月末まで決めてもらいたい。

10月1日は内定式があるので、そこまでに決める人がほとんどです。

それ以上引っ張るとかなり迷惑かけることになります。

よって理想は6月末までで、遅くても9月末と頭に入れておきましょう。

提出後に辞退する人の割合

入社承諾書を提出した後に辞退する人はどのぐらいの割合でいるのでしょうか?

私の会社では毎年1割前後が提出後に辞退となっています。

100人入社承諾書を提出したら、10人が辞退します。

つまり入社承諾書提出後の辞退率は10%前後です。

他の会社はわかりませんが、推察すると5~20%ぐらいかと思われます。

意外と少ないと思われるかもしれません。

入社承諾書を提出すると必ず入社しないといけないと思っている人がまだまだ多いのです。




まとめ

入社承諾書は提出しても辞退することはできます。提出したら必ず入社しないといけない書類ではありません。

企業側があなたの入社意志を早く確認するための書類なのです。

ただし、提出後に辞退することがわかれば、速やかに企業へ知らせましょう。また、辞退理由も正直に答えた方が潔いです。

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Posted by はれきち