私は面接官をしていますが、逆質問でよく聞かれる質問があります。「入社までに取っておいた方がよい資格はありますか?」あるいは「入社前に勉強しておくことはありますか?」です。
私の答えはいつも「特にないので、内定後はしっかり遊んでください」とアドバイスしてます。
実はスキルアップのためにやってもらいたいこと、あるいは入社してから有利になる資格の勉強について説明したいのですが、ぜんぜん時間が足りません。
そこで、入社前に取っておいた方がよい資格10選を紹介します。
私は大手企業の新卒採用活動を15年以上している現役面接官の「はれきち」です。採用側の立場で、入社前に勉強しておくと役に立つ資格を教えます。
- 内定後は時間が豊富にある
- 取得すれば、入社後に業務の理解度が上がる
- 入社したらすぐに仕事ができるタイプと判断される
- スキルアップに役立つ資格おすすめ10選
- 自分への投資は必ず財産になる
この記事を読めば、残り少ない学生生活を遊び尽くすのもよいですが、時間のある今の自分に投資すると満足度は高くなります。どうせやるなら、業務に必要な知識を得ておくと資格手当をゲットできるだけでなく、入社後に一目置かれる存在になるでしょう。
どんな資格でも取得すれば、自分に投資した証となる
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入社までにやっておきたいこと
入社までにやっておきたいことは千差万別です。就活に目途が立てば、何がしたいですか?
- 卒論に集中したい
- スキルアップのため資格を取りたい
- バイトでしっかり稼ぎたい
- 友達と旅行に行きたい
- ボランティア活動をやってみたい
- 趣味に没頭したい
- 何もしたくない
選択肢はたくさんありますが、どれを選んでも間違いではありません。あとで後悔しなきゃ正解ですから。
この中で優先度が高いのは『スキルアップする資格取得』ですね。友達との旅行も大事かもしれませんが、かかるのは数日程度です。でも資格取得の勉強はそう簡単ではありません。
資格を取得できれば、「空いた時間を有意義に使った」と満足度が高くなります。結果的に業務に直接活かしたり、間接的に関われば、かなりお得な投資となります。
会社によっては、持っているだけで資格手当が出るところもあるでしょう。
<資格取得の目的>
キャリアアップや自慢のためではありません。専門知識を増やして、業務の理解を深めることです。
当然、すぐには役立たないこともありますが、資格は努力の証明になるので自信につながります。
入社前に資格取得した方がよい理由
なぜ入社前に資格取得した方がいいの?
入社後ではなく、入社前に資格取得方が断然いい。大きくわけて3つ理由があります。
内定後から入社までは時間が豊富にある
就活に目途が立てば、あとは卒論だけとなります。夏休みがあれば、冬休みもあります。卒業してからも時間はありますからね。社会人の私からすれば、夢のような休みです。
社会人になって思うのは、『あれほど時間に余裕があるのは大学生活おいて他にない』ということです。私は卒論以外ではアルバイトに精を出していました。しかし、後悔しています。卒論はしょうがないとしてもバイトじゃなく、違うことに時間を費やしたらよかったと…。例えば、二度といけないような場所の海外に行ったり、自分への投資に金と時間をかけたらよかったと思っています。
入社後にいざ資格の勉強をしようとしても仕事に慣れない環境下ではそんな余裕はありません。家に帰れば疲れているので、ネットやテレビを少し見て寝るだけになります。2、3年ぐらい経てば余裕が生まれますが、それからでは遅いのです。
入社前に関係する資格を取得すれば、就職後に業務を習得するスピードが格段に上がります。理解度が増せば、業務効率化が高くなるのです。
入社後、すぐに仕事ができるタイプと判断される
早く内定をもらったからといって安心してはいけません。入社後は同期全員がいきなりライバルになります。
入社したら上司はあなたの理解力、行動力で仕事ができるタイプか、できないタイプかを瞬時に見抜かれます。入社して3ヶ月経てばあなたの評価は決まっているでしょう。
そうです。6月ごろには同期と仕事の振られ方が違うなと理解するでしょう。それは力量を判断して、上司が仕事を振っていくからです。
一度できないタイプとらく印を押されれば、そう簡単にはくつがえりません。業務の振られ方に同期と差が出始め、あなたにはあからさまな雑務が優先的に回ってきます。逆にできる人と認識されれば、実務に近い仕事が早々に来るでしょう。
それぐらい入社後の立ち振る舞いは大事になるのです。その下支えをしてくれるのが資格であり知識なのです。
持っている資格のおかげで頼まれることも
入社後に唯一の自信になる
入社当初は右も左もわからず、上司から怒られることが仕事になります。友達のように手取り足取り教えてくれる人はそういません。
みんな思うことですが、「自分は何てダメな人間なんだ」と必ず一度は自信をなくします。やることなすことが未経験ですから。その時に支えになるのが資格や知識なのです。
資格取得は自分のテリトリー(わかる範囲)に入れば、理解できるため全くわからないからは脱出できます。やがてその部分が自信となるのです。
心の中で、この分野に関しては上司や同期より、絶対知識は上だと思えるか、思えないかは大きいです。
指示された資格が入社までに取れなかった場合
採用担当者から取得するようにって言われたのですが…
業務に必要になるため、この資格を入社までにとってください。あるいは取得することをおすすめしますとした努力義務の2パターンがあります。
業務必須の資格として、代表的なものとして運転免許や自動車整備士のような国家資格があります。
業務に必須な資格が取れなかった場合
入社の条件として、運転免許必須と書いてあります。3年生のうちに内定をもらって、卒業までに運転免許が取れなかったら、どうなるのでしょうか?
大学卒業までに業務に必須な資格を取得できなかった場合は、最悪内定取り消しがあり得ます。その際必ず、入社条件に記載しています。
努力義務であれば、入社条件に記載されていません。
取得できなかった場合は採用担当者へ連絡して、指示をあおぎましょう。
努力義務で資格が取れなかった場合
こちらはあくまでも努力義務なので、卒業までに取得できなくても内定取り消しとはなりません。入社後の勉強して取得すれば問題ありません。
こちらは入社前に連絡する必要はありません
入社前までに取っておきたい資格10選
入社前までに取得するとよいおすすめの資格を10選紹介します。
各資格はおすすめ度、難易度、貢献度で表しています。
おすすめ度:高い=取った方がよい
難易度:高い=取得に時間がかかる
貢献度:高い=入社してすぐに役立つ
難易度は取得する難しさ、貢献度は会社に入って役立つかどうかです。5段階で評価しているので参考にしてください。
わかりやすいように資格取得に向いている業界や職種を記載しています。
MOS(Microsoft Office Specialist)
おすすめ度:★★★★★
難 易 度:★★★★★
貢 献 度:★★★★★
<向いている業界及び職種>
パソコンを使う業務全般(営業、技術、事務)
MOSとはMicrosoft社がワードやエクセルなどのスキルを証明してくれます。
入社したら必ず見積もり、原価計算、生産企画書、仕様書、プレゼン資料を作成するようになります。これは営業、技術、事務職と関係なくパソコンに接するので必ず役に立ちます。
特にWord(文章作成)、Excel(表計算)、PowerPoint(プレゼン)はよく使うソフトです。その他の項目として、Outlook、Accessがありますが、こちらは会社によっては全く使用しません。
見積作成や会議の資料など必ずパソコンを使います。いまや一人に一台の割合で使ってますからね。パソコンのスキルアップにはもってこいの資格です。
上司やお客様へのプレゼン資料はほんと時間がかかるので、この資格があれば時間短縮になります。
コースはスペシャリストとエキスパートの2種類があります。浅く広く始めるなら重要度の高いExcelのスペシャリストから始めるのがよいです。表計算、グラフ、関数はよく使いますからね。Excel➡Word➡PowerPointの順で取得が理想。
卒論でエクセルを使いこなしてるならエキスパートがおすすめです。学割が使えるので受験料は抑えられます。スペシャリストの合格率は約80%、エキスパートは約60%。
<勉強方法>
①MOS Excel 365&2019のスペシャリストならこれ1冊で十分合格できます。
②MOS Word 365&2019のスペシャリストならこれ一冊で十分合格できます。
③MOS PowerPoint 365&2019のスペシャリストならこれ一冊で十分合格できます。
ITパスポート
おすすめ度:★★★★★
難 易 度:★★★★★
貢 献 度:★★★★★
<向いている業界及び職種>
IT、WEB、ロボット、プログラミング業界
パソコンを使う業務全般(営業、技術、事務)
ITパスポートとはITに関する基礎知識が十分備わっていることを証明する国家資格です。IT、情報処理、システム設計に携わるならまさに必須のパスポートと言えるでしょう。合格率は50%程度です。
何といっても「国家資格」ですから、民間資格とは格が違います。
この資格を取得していれば、ITの知識を浅く広く知っているので業務を受け入れる守備範囲が広くなります。著作権、個人情報保護などの法令も押さえることができます。エンジニア系なら上位資格の情報処理技術者を目指しているなら足掛かりにしたいですね。
ITパスポート試験 対策テキスト&過去問題集を購入して勉強できます。
情報セキュリティマネジメント
おすすめ度:★★★★★
難 易 度:★★★★★
貢 献 度:★★★★★
<向いている業界及び職種>
IT、WEB、エンジニアリング業界
セキュリティ担当、総務
ITパスポートはITに関して浅く広く網羅してます。情報セキュリティに特化している資格が情報セキュリティマネジメントとなります。こちらは国家資格となります。
企業の中でも総務部、情報システム部、情報管理部に所属するなら持っておくと一目置かれるでしょう。
サイバー攻撃、情報漏洩は今や企業の致命傷になってしまいます。年々重要度が増しており、合格率は40~50%です。責任者やチーフを目指すならおすすめです。
入社すれば、自慢できる資格のひとつになるでしょう。
本で勉強したい方は「徹底攻略 情報セキュリティマネジメント教科書 令和3年度」 がおすすめです。
プログラミング
おすすめ度:★★★★★
難 易 度:★★★★★
貢 献 度:★★★★★
<向いている業界及び職種>
IT、WEB、ロボット、エンジニアリング業界
技術担当者、製造部門、生産管理
将来はフリーランスになりたい、IT系、SE系に就職したならもちろんですが、どの企業にも社内システムを管理する部署が必ずあります。今は重要度が高まっているのでどの企業も引く手あまたの世界になっています。
事前に学習しておけば、入社してからの理解力は増します。2、3年後に独立を考えているなら絶対に習得すべきスキルです。ただし、習得するのに時間がかかるため学生のうちに学んでおくことがベストなのです。
私が学生に戻れるならこの資格を一番勉強しておきたかったですね。
こちらは資格ではありませんが、勉強しておくとよい知識となります。
<プログラミング本>
ゼロから始めたい、PHP、Ruby、JavaScript、Pythonとやるべきことが決まっていないなら、まず基本のHTMLとCSSから学習するのがおすすめです。
簿記(日商簿記)
おすすめ度:★★★★★
難 易 度:★★★★★
貢 献 度:★★★★★
<向いている業界及び職種>
銀行、保険、証券、不動産業界
購買、経理、事務
簿記とはわかりやすく言うと企業版の家計簿です。通常の家計簿と違って、普段あまり使わない貸方、借方、B/S、P/Lなどの言葉がでてきます。ただ、慣れれば会社四季報の理解度は格段に上がるでしょう。
事務方の経理だけが必要なスキルと思われますが、原材料や在庫を管理したり、課長などの管理職には備わっていてほしい知識です。事務以外であれば、今すぐというより後々に活きてくる資格ですね。
まずは取りやすい3級からチャレンジしてみましょう。事務系なら2級を狙うのもありです。2級だともう少し難易度は上がります。合格率は3級は50%前後、2級は20%前後。
取得するなら通信講座がありますが、本を購入するか、YouTubeで勉強する方法のがよいでしょう。私も学生時代に本で勉強して習得できました。
FP(ファイナンシャルプランナー)
おすすめ度:★★★★★
難 易 度:★★★★★
貢 献 度:★★★★★
<向いている業界及び職種>
銀行、証券、不動産、保険、住宅業界
営業、経理
ファイナンシャルプランナーを取得するとお金の扱う知識が増えます。金融、不動産、保険、住宅ローン、年金など一生付き合うものなので、取って損はないですよね。国家資格なので転職したとしても有利になります。プライベートでも最大限に活かせるのがいいですね。
銀行、証券、保険、不動産、住宅メーカーに勤めるなら、必ず役立ちます。お客様に提案する際、お金の知識が必要になるからです。その他の業界でも事務系(総務、経理)なら十分活用できます。
個人的には自分の資産形成に大いに役立つのが最大のメリットといえます。
3級は簡単なので、差別化できる2級を目指しましょう。実務経験がなくても認定研修を受ければ受験条件を満たします。合格率は50%程度です。
まず3級を取得して2級を目指すならこちら
自動車運転免許
おすすめ度:★★★★★
難 易 度:★★★★★
貢 献 度:★★★★★
<向いている業界及び職種>
物流、倉庫、運送業界
営業全般
入社してから免許を取ろうとしたら、時間調整が大変なので取得にとんでもない期間を要します。免許まだもってないなら、時間がたっぷりある学生の時に取るのが得策です。
仕事では営業職だけが必要になるわけではありません。地方勤務になると車通勤が便利です。プライベートだと車を買わなくてもカーシェアを使えば、行動範囲は大きく広がります。あるのとないとでは雲泥の差があります。
近くの教習所があれば定期的に通うのがよいですが、休み期間中に一気に取る合宿型もあります。毎日乗れば、体が覚えているので習得が早くなります。AT限定なら13日間でOKです。
早割、学割はもちろんですが、夏得コース、グループコース、限定日コースとお得がいっぱいの合宿免許受付センターがおすすめ(全国対応)。ペーパードライバーでも持っているのと持っていないのでは雲泥の差ですから。
公式HPはこちら>>合宿免許受付センター
英会話
おすすめ度:★★★★★
難 易 度:★★★★★
貢 献 度:★★★★★
<向いている業界及び職種>
商社、商船、航空、外資系業界
外資系勤務者、海外取引担当者
英会話は資格というよりスキルです。今後、10年、20年を考えると英語、中国語ができる人がさらに重宝される時代になるのは間違いありません。
会社は10年前よりグローバル化しており、外国人の社長、役員は珍しくありません。商社だけではなく、海外から原料を仕入れたり、取引きする業務はメーカーでも求められます。英語が読めて、話せると出世に有利です。
昔は読み、書き、そろばんでしたが、今は英会話、プログラミング、FP(お金の知識)が最強な気がします。
勉強法としては、英会話スクールに通う、通信講座やYouTube、本で勉強するのもありです。要は継続は力なりですから。
まずは入門編としてこちらがおすすめです。
サービス接遇検定
おすすめ度:★★★★★
難 易 度:★★★★★
貢 献 度:★★★★★
<向いている業界及び職種>
流通、スーパー、百貨店、ホームセンター、保険、サービス業界
営業全般、受付、窓口業務、販売員、メンテナンス員
サービス接遇検定はあまり聞きなれないかもしれませんが、毎年1万人が受験しております。短期間でマスターできて、即活かせるビジネスマナーです。百貨店、スーパー、ホテル、アミューズメントパークに務めるなら必須です。
営業職であれば、接客に必要なスキルとコミュニケーション能力を身に付けることができます。新入社員だと必ずビジネスマナーから叩き込まれるので、わかっていれば、一目置かれます。3級~1級の合格率は60~80%と比較的高めです。
ユーキャンのサービス接遇検定3級・2級・準1級 合格テキスト&問題集
宅地建物取引士(宅建士)
おすすめ度:★★★★★
難 易 度:★★★★★
貢 献 度:★★★★★
<向いている業界及び職種>
不動産、ハウスメーカー業界
いずれ独立を考えている、あるいは就職してから資格手当や昇格の要件を満たすために取得を考えているならチャレンジしたい国家資格です。難易度は超高いですが、見返りは大きいです。不動産売買では資格者が必要になります。合格率は15~20%程度なので時間のある学生から勉強しておくと有利になります。
税理士、行政書士と肩を並ぶ国家資格です。
難易度の高い順 司法書士>社労士>税理士>行政書士>宅建士なのでこれらの国家資格に比べると取得しやすい方に入ります。
<勉強方法>
①アガルートアカデミーの宅建試験講座
合格率は驚異の59.5%を叩き出し、価格は業界最安値なのがいいです。合格するまでの勉強は300~400時間が目安なので、継続性が大事です。
公式HPはこちら>>アルガードアカデミー宅建士講座
②みんなが欲しかった! 宅建士の教科書
お金をなるべくかけない勉強法
資格を取るにはお金がかかります。しかし、学生なのであまり費用はかけたくないですよね。
<資格の勉強法>
・参考書(本)
・YouTube
・通信講座
参考書(本)
参考書としては1000~3000円程度で購入できます。
安く済ますならBOOKOFFなどの中古本専門店で探すとよいでしょう。最新を購入しなくても傾向は毎年変わりませんからね。
YouTube
YouTubeで無料講座をやっているサイトや攻略のポイント解説しています。ほんと便利になりました。
まずは検索に『ITパスポート』、『FP』と入れて参考になるものは聞いておきましょう。ただし、課題はどんな人が解説しているかによって信ぴょう性が変わりますので注意してください。
通信講座
>>いつの時代にも求められる税務知識や日商簿記3,2級など経理に役立つ100講座が学べる動画サイト
昔と違って、今は通わなくてもwebで受講ができます。無料講座や有料講座があります。
日商簿記や税務、Excelの基礎を勉強するならこちらがおすすめです。月額980(税込み)で100講座以上学べます。1ヶ月に980円さえ払えば、何をどれだけ受けてもよいのです。
まとめ
就活は内定を取るとひとつのゴールを迎えます。ただ、そこで終了するのは少しもったいない気がします。入社してからが本番だからです。
学生生活は時間があるのでアルバイト、旅行、遊びまくるのもいいでしょう。ただ、社会人になったら、学生時代の有り余る時間は、会社を辞めない限りありません。
この時間を利用して、資格を取得すれば自分の知識が大きく広がります。資格は自分に投資した証明になるので、必ず自信につながるでしょう。