企業の採用担当者から「内定をだすので就活を終らせてほしい」としつこく懇願されると、どう対処したらよいか困ってしまいます。
拒否すると内定は取り消しになるのでしょうか?また、内定承諾書に一旦サインすると入社せざる負えないのか、不安になりますよね。
このように企業が『就活を早く終われ』と圧力をかけることをオワハラと呼んでいます。
私は大手企業の新卒採用に15年以上たずさわっている現役面接官の「はれきち」です。就活終われハラスメントをされたら、どのように対処したらよいか、採用側の意図をくみとって教えることができます。
- オワハラの現状
- オワハラの事例
- オワハラの対処法
- 内定承諾書は承諾しても断ることができる
- 企業がオワハラする背景
この記事を読むと企業がよくやるオワハラの事例がよくわかります。オワハラをされた場合、真に受けず聞き流して問題ないです。あまりにもしつこいとハローワークで相談ができます。また、内定承諾書や誓約書に一旦サインしたとしても、後で断って大丈夫とわかるでしょう。
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オワハラの現状

オワハラとは企業の採用担当者から、
・「内定をだすので、就活を終わらせてほしい」
・「今ここで他社の就活をやめるなら、内定をだします」
・「この誓約書にサインするなら、内定をだします」
このように強要されたらハラスメントです。これらの行為は就活終われハラスメントといい、略してオワハラと呼ばれています。
政府から異例の通達
昨今このようなトラブルが増えています。そこで2023年4月10日に政府が1250の経済団体・業界団体へ異例の通知がありました。
<通知の内容>
他社への就職活動の終了を迫ったり、誓約書を要求してはダメ。採用選考における学生の職業選択の自由を妨げてはいけない。
実際の通知文はこちらから⇒「2024(令和6)年度卒業・修了予定者等の就職・採用活動に関する要請等について」
政府から通知がでるくらいなので、近年トラブルが増えていたとわかります。
オワハラの認知度はまだ低い
まだまだオワハラの行為は就活生へ認知されていません。そのため、こんなことを言われたら「オワハラ」だとすぐに理解できないのです。
面接中にひわいな質問や下ネタを言われれば、誰でも「セクハラ」だとわかります。
しかし、オワハラはそう簡単に認識できません。
あからさまに言葉で『内定だすから、その他の就活はすべて終わらせろ!』と言われれば、気づくでしょう。しかし、言葉ではなく誓約書を書かされたら、どうでしょうか?
・就活ってこういうもんかな
・この企業のルールなのかな
・よくわからないけど、従うしかない
このように受け取って、オワハラだと気づきません。そのため、代表的なオワハラの事例をあげ、説明します。

内定もらってストレスがかかることなら、オワハラを疑った方がいいね
オワハラの事例

ここでは新入社員が体験したことや面接中にヒヤリングで聞いたことを事例として、あげます。
- オワハラの事例
- ・内定だすから、他社はもういいでしょと言われた
・内定後アルバイトに来いと強要された
・他社への就活をやめるよう誓約書にサインさせられた
・役員と高級焼肉店へ連れていかれ、断りづらくなった
・内定後に課題がたくさんでる
・研修で縛りつけられる
・断ると来年あなたの大学からとらないよと言われた
就活を終るよう言われる
もっとも多いオワハラが「内定をだすので、他社の就活は終わるようにしてくれ」と採用担当者から言われるパターンです。
採用担当者は確実に入社させたいので、強めにいってきます。気が弱いと従ってしまいますよね。
<対処法>
変な言い訳は相手がヒートアップするため、『前向きに検討します』の返答が一番よいです。
それでも相手が譲歩しない場合は『わかりました』と答えて、裏で就活を継続しましょう。
アルバイト強要される
内定をだした後、『仕事に早く慣れた方がよいので、アルバイトへ来なさい』と言われることがあります。
一見、親切なアドバイスのように思えますが、就活する時間がなくなります。
第一志望の会社で、自らが率先してアルバイトをのぞむなら問題はありません。
<対処法>
大学の研究がいそがしいため、アルバイトは難しいです。と断りをいれましょう。
部活ではなく、ゼミや研究を盾に断るのが賢明です。
誓約書にサイン求められる
内定承諾書または入社承諾書、誓約書へサインを求められることがあります。契約書なので一度サインやハンコを押すと断れないと思いがちです。しかし、拘束力はありません。よって、サインしても後で『他社に決まりました』と断ることができます。
<対処法>
承諾書や誓約書は保留することができないため、承諾のサインしてOKです。あとで断ることができます。就活を続け、他社に決まれば辞退しましょう。
>>【採用者回答】入社承諾書提出しても辞退は可能、ただし注意点あり
役員と食事会
内定後、社長や役員(取締役)から、懇親会だからと言われ、たびたび食事に誘われることがあります。しかも高級な焼肉店や中華店の誘いがきます。
高級なお店に連れて行ってもらい、値段の高い食事をごちそうになれば、余計に断りづらくなります。
<対処法>
社長、役員が誘ってくる食事会や飲み会は、都合が使いないこと断りましょう。一度行ってしまうと、申し訳なさの方が勝つため、注意しましょう。
内定後に課題多数
入社していないのに、課題の量が多いのは疑問です。入社するか決めてもいない場合は嫌がらせと思っちゃいます。
通常、内定後に会社から課題をだすことはありません。入社前に勉強させて課題を提出すれば、労働とみなされます。本当なら賃金を払わないといけません。
そのため課題があったとしても、1日で終わるものが多いです。
<対処法>
課題はやらなくて大丈夫です。提出しなかったからといって、内定取り消しにはなりません。催促の電話がかかっても『卒論を優先している』と伝えましょう。

課題ではなく近況報告のメールはよくします。こちらは義務ではないので安心してください。
研修の頻度が多い
内定者研修というものをもうけている企業があります。内定者が不安にならないようにする研修です。内定式と同時にすることが多いです。
こちらは問題になりません。
ただ、会社によっては頻度高く、複数回にわたり教育研修を実施する場合があります。
<対処法>
入社するかどうかまだ決めかねているなら、内定者研修だけ参加しましょう。そのほかの研修は課題がでると負担になるため卒論を盾に、欠席して大丈夫です。
断ると出身大学からとらない
内定を断ると今後あたなの大学からとらない、あるいは大学教授へ報告するといわれるとショックを受けますよね。
ただ、これは企業のおどしにすぎません。もしそれを本当に実行すれば、困るのは大学側ではなく、実は企業側なのです。
なぜなら、企業側は慢性的な人手不足が続いております。エントリー数を減らすようなことは絶対にしません。入口は広くしないと採用に影響がでますから。
<対処法>
企業のおどし文句にすぎないため、無視して大丈夫です。本当に困るのは企業側です。まして、採用担当者が独断で大学を選別することはできません。
対処法が効果なければ、ハローワークへ

対処法を実施したにも関わらず、しつこく電話がくる、メールでおどされるなら、次の手があります。
この状態が続くと精神的にまいってしまいますからね。
- オワハラの相談先
- ・大学のキャリアセンター
・ハローワーク
まずは大学のキャリアセンターや就職課へ相談ができます。もっとも身近にあり、すぐ相談ができるのがメリットです。きっと大学側から企業へ一報を入れてくれるでしょう。
もし大学が動いてくれないなら、最後の手段としてハローワークがあります。オワハラ、パワハラ、セクハラなどのハラスメントに対して、就活生へ相談窓口をもうけています。
経団連や日本商工会議所も広く通知しているため、必ず動いてくれるでしょう。

ひとりで抱え込まないことが大事です
内定承諾書は承諾しても断ることができる

ほとんどの人が誤解していることがあります。内定承諾書または入社承諾書、誓約書に一旦サインすれば、必ず従わないといけないと思っていることです。
実はそんなことはありません。
私の会社では内定(入社)承諾書にサインをした後に辞退される方はいます。毎年1割程度おられます。
内定(入社)承諾書は保留することができないため、承諾とサインして提出してください。
もし他社から内定もらえ、そちらに行くのであれば、電話もしくはメールで辞退の旨を伝えればよいだけなのです。

承諾書や誓約書は雇用契約書と全く別物です
>>【採用者回答】入社承諾書提出しても辞退は可能、ただし注意点あり
企業がオワハラをする背景

なぜ企業はオワハラをするのでしょうか?
私は採用側の立場なのでその気持ちが少しわかります。その背景を知ればオワハラは怖くありません。企業側より、就活生側の方が強いとわかるからです。
- オワハラをする企業側の背景
- ・早期内定で囲い込みに苦労している
・内定後の離脱をなくしたい
早期内定で囲い込みに苦労している
採用に苦労しているため、オワハラをしてしまうのです。
年々内定を出すタイミングは早くなっています。今や3年生のうちに内定もらう内定率は30%を超えています。つまり3人に1人は内定をもらっているのです。
ただ、早く内定をだしても大手企業や初任給が高い企業へ逃げられます。そのため新卒人数を確保するのに相当時間ようして、採用が長期化するのです。
採用担当者は早く内定者を囲い込みたい願望が強くでます。採用に毎年苦戦しているので、逃がしたくないのです。
内定後の離脱をなくしたい
内定を出すと全員が入社するわけではありません。10人確保して、5人しか入社しなかったら、追加募集となります。いわゆる二次募集というものです。
一般的にほとんどの企業は6月までに採用の目途をつけます。採用人数に達していなかったり、思った以上に辞退が多いと7月以降も新卒採用を継続します。
ホンネは7月以降、優秀な人材が少なくなるので、だらだらと採用はやりたくありません。時間とコストがバカにならないためです。
そのため、離脱を少しでも減らすため、入社承諾書や課題、研修を入れ、引き留め工作をするのです。
まとめ
採用担当者から「内定をだすので、その他の就活を終らせてください」と言われたら、どのように答えたらよいか困ります。
これはオワハラと言われ、企業がやってはいけないハラスメントです。
言われた際は『前向きに検討します』と返答すれば大丈夫です。また、正直に就活を終らす必要はありません。
例え入社承諾書にサインをしたからといって、企業側の拘束力はありません。後から辞退ができるため、なんら心配はありません。
あまりにも強要してくるなら、大学のキャリアセンターやハローワークへ相談してみましょう。
企業は採用に苦戦していることが原因や、内定者の離脱を防ぐためにあの手、この手で『オワハラ』をしてくるでしょう。その際は真正面から受け止めず、聞き流すようにしてください。内定取り消しなどのペナルティはありません。
安易に妥協せず、納得する就活をしていきましょう。