最近のニュースや新聞である企業の初任給が30万になった、あるいは40万を超えたと聞いたことはないでしょうか。
このように新卒として社会への第一歩を踏み出す際、ひときわ目を引くのが「初任給が高い」という魅力的なキーワードです。しかし、この一見魅力的な条件が、必ずしも長期的な目線でいくとあなたのキャリア形成や幸福感に繋がるとは限りません。
むしろ、高初任給をうたう企業の中には、新卒の期待値を逆手に取った巧妙な「罠」が潜んでいるのです。
私は大手企業の採用活動に15年以上携わっている現役面接官の『はれきち』です。採用側の経験を踏まえ、「初任給が高い」という一見魅力的な条件に隠された企業側の意図を解き明かしていきます。
- 企業の罠を暴く、初任給の裏に隠された意図とは
- 騙されないためのチェック項目(入社前に確認すべき3つの視点)
- 企業選びで本当に重視すべき要素
- 平均年収の高い企業へ就職する近道とは
この記事を読むと、目先の高初任給に惑わされることなく、会社本来の姿を客観的に捉えて、しっかりと情報武装ができるようになるでしょう。
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企業の罠を暴く、高初任給の裏に隠された意図とは

企業が新卒に対して初任給を大幅に上げて提示している背景には、かなり深い動機が隠れています。
その中には、健全な理由もあれば、就活生の心理を利用した巧妙な「罠」も存在します。ここでは、特に注意すべき企業の3つの意図について解説していきましょう。

キャー怖い、どんな罠なんですか?



では、引っかからないように注意してね
就活生のエントリー数を増やすため
一つ目の意図として、企業が採用時のエントリー数を単純に増やしたいという考えです。
特に人気のあるコンサル、商社、不動産業界や、専門性の高いエンジニア、プログラマーなどは、多くの企業が優秀な人材を求めて激しい採用競争を繰り広げています。
このような状況下で、初任給を30万にするとアピールすれば、学生の注目を集めることになりますよね。
よって、高初任給は応募を促すための非常に効果的な手段となっています。
私の会社では簡単に初任給を上げることができないので、インターンシップの枠を広げたり、大学の教授と太いパイプを構築したり、いくつも就活サイトに登録して、少しでも就活生のエントリー数を増やしています。この取り組みを毎年試行錯誤してやっています。(これが結構大変💦)
給与は、就職先を決める上で重要な指標の一つであることは間違いありませんからね。
企業側も、初任給を高く設定すると、「従業員を大切にしている会社」というイメージが作れるので、優秀な人材を集めやすくなるのです。
しかし、注意すべき点は、高初任給が必ずしも企業の長期的視野に立った「健全な経営状況」や「従業員を育成する姿勢」を反映しているとは限りません。
企業としては今後人件費の負担が増えれば、リストラ(早期退職)もやむを得ないと考えていますからね。
表面的な魅力だけに目を奪われないよう、企業の全体像を見極めなければなりません。
早期離職を防ぐため
二つ目の意図として、離職率を下げたいという企業の思惑があります。近年、新卒の早期離職は多くの企業にとって深刻な問題となっています。
採用にかかるコストや、新人教育に費やした時間と労力を無駄にしないため、企業は様々な対策を講じています。
その一つとして、魅力的な初任給を提示することで、早期の離職を防ごうという考えなのです。嫌な仕事でも給与が高いと踏みとどまれる要因になりますから。
一番困るのは、入社して業務全体を知る前に、ちょっとイメージと違うなと思われ、辞められることなのです。初任給が高ければ、少し考える時間が持てますからね。
ちなみに私の会社で新卒採用にかかるコストとして、就活サイトへ登録だけで軽く1000万を超えています。入社して、新人研修にかかわる交通旅費含む諸々のコストは一人当たり30万を超えます。これだけ投資して1年で辞められた日には目も当てられません。
しかし、もし企業の離職率の高い根本的な原因が、過酷な労働環境、成長機会の不足、不公平な評価制度だとしたら、初任給だけを引き上げたとしても、その効果は一時的なものに過ぎないでしょう。
入社後に期待と現実のギャップに直面すると、結局は早期離職に繋がってしまうのです。 また、新卒の初任給だけが引き上げられた場合は、既存社員との給与逆転現象が生じ、不公平感を抱いた中堅社員からの圧力は半端ないでしょう。



上司と給与の逆転現象もあり得るのですね(汗)
ベテランより若手社員を優遇
三つ目の意図として、ベテランよりも若手社員の給与を手厚くしたいという考えです。
これは、長期的な視点で見ると、将来を担う若手人材に積極的に投資することで、企業の成長を図ろうとする戦略とも言えるでしょう。
特に、技術革新の速い業界や、新しいビジネスモデルへの転換を目指す企業においては、柔軟な発想を持つ若い世代の力に期待する傾向が強いため、このような動きになります。
今後少子化で採用しようと思ってもパイが小さくなるため、早めに確保していきたいのです。
従業員の年齢構成はピラミッド型ではなく、ドラム缶型でもなく、ベテランが多い頭でっかち型になっていることがほとんどなのです。
しかし、この企業側の戦略が、必ずしも新卒にとって良い結果をもたらすとは限りません。あなたもいずれベテラン社員になれば、同じ境遇となるからです。
例えば、ベテランと若手社員とでモチベーションに差がでてきます。ベテラン社員から十分な指導やサポートが得られず、長期的なキャリアパスに影響が出てくるでしょう。
例として、初任給が昨年より3万上がった場合、従業員全員が3万給与が上がっていると思っていませんか?
私の会社でも2年前に初任給が大幅に上がりました。しかし、全員が均等に上がったわけでなく、20代、30代、40代と年齢が上がるほど、上げ幅が抑制される賃金カーブとなりました。つまり、20代では3万上がりますが、50代では3千円となりました。(ちなみに管理職はゼロでした…ガックシ)
騙されないためのチェック項目(入社前に確認すべき3つの視点)


「初任給が高い」という甘い誘惑に惑わされることなく、企業が提示する情報の本質を見抜く力が必要になります。
大事なポイント!
ここでは、入社前に必ず確認しておきたい3つの重要なチェック項目について教えていきますよ~。
① 初任給の額面ではなく、平均年収を確認
初任給の金額は、あくまで入社時の給与であり、その企業の給与水準全体を反映しているわけではありません。
重要なのは、初任給だけでなく、その後の昇給制度や賞与、各種手当などを総合的に考慮した平均年収なのです。
<わかりやすく解説>
あなたはどっちの会社を選びたい?
①初任給30万 平均年収600万
②初任給23万 平均年収900万
※②の方が昇給幅が大きい、かつ賞与も多い。当然、生涯年収ではかなり大きな差になる。
平均年収を知るためには、企業のウェブサイトに掲載されているIR情報や有価証券報告書が一番わかりやすい。
その他、就職四季報や就職情報誌、企業の口コミサイトも参考になるでしょう。ただし、口コミサイトはあくまで個人の主観に基づいているので、鵜呑みにせず、複数の情報を比較検討することが大切です。
上場していない会社であれば、会社説明会、面接のときに聞くと教えてくれます。昔と違って今は給与面はオープンな情報として取り扱っているので聞いても大丈夫です。しっかり教えてくれない会社は怪しんだ方がいいでしょう。
最近はホームページや新卒採用欄に平均年齢、平均年収、平均勤続年数、離職率、男女比、残業時間など記載している場合があります。
さらに、可能であれば、OB・OG訪問などを通じて、実際にその企業で働いている社員から話を聞くのも有効な手段となります。
初任給が高くても、その後の昇給率が低ければ、長期的に見ると他の企業よりも年収が低くなります。 また、基本給を低くし、手当で初任給を高く見せている罠があるため、基本給の内訳や賞与の算定基準を事前に確認できると完璧です。


② 安定性を示すバロメーター、離職率を確認
離職率は、「働きやすさ」や「従業員の満足度」を示す重要な指標の一つです。離職率が高い企業は、労働環境に何らかの問題を抱えていると言えるでしょう。
<備考>
離職率が高い企業の特徴
・ノルマが大変
・長時間労働
・サービス残業が多い
・あきらかに人員が不足
・労働に対して低賃金
・社風がハラスメント体質
・休日を選べない
離職率に関する正確な情報を得ることは難しいと思われますが、採用説明会で公表する企業が増えています。
また、企業の口コミサイトや転職情報サイトでも、ある程度の情報を収集できるでしょう。
入社前にできる限り情報を集め、慎重に判断することが重要です。ただし、業界や職種によって一般的な離職率の水準は異なるため、業界全体の平均と比較することも忘れてはいけません。
厚生労働省の雇用動向調査結果から、過去10年間のデータから平均離職率は15%前後で推移しています。よって、全業界の平均離職率は15%と判断できます。
大卒3年未満に限ると2023年データで32.3%が退職しています。つまり新卒は3年以内に3人に1人が退職しているのです。



3人に1人とはかなり多いですね



この現実を踏まえて、離職率を確認しましょう
特に離職率の高い業界の代表格はホテル・飲食業界です。新卒3年未満の離職率は驚異の56.6%です。そのほか、美容室、旅行代理店の生活関連サービス業も高い。介護、塾関連も非常に離職率が高いので、これらの業界を志望しているなら覚悟をしてください。
③ 過去のリストラ(早期退職)は経営状況のサイン
過去に大規模なリストラを断行したことがある企業は、経営状況が不安定であり、従業員が調整弁になっています。若いうちはよいですが、ベテランになると肩をたたく体質であると言えます。
初任給を高くしているのは若手を優遇するためで、ベテランは冷遇傾向です。
入社した時はよいですが、子供が大学に通うタイミングでリストラされるとひとたまりもありません。
過去のリストラに関する情報は、企業のニュースリリースや報道記事などを通じて確認できます。また、企業のウェブサイトやIR情報でも言及されている場合があります。
過去にリストラを行った企業が、その後どのような経営状況にあるのか、従業員の待遇はどう変化したのか確認することで、入社後のリスクを予測できるでしょう。
特に、近年頻繁に早期退職制度を行っている企業や、業績が低迷している企業への就職は、初任給が高くても慎重に検討すべきです。
<リストラを断行した企業の一例>
- 2015年 東芝 7800人
- 2016年 富士通 2850人
- 2019年 NEC 3000人
- 2019年 日産自動車 12500人
- 2020年 カシオ計算機 300人
- 2020年 オンワード 350人
- 2024年 みずほ銀行 8000人
企業選びで本当に重視すべき要素


初任給が高いことは一見魅力的に見えますが、それだけで企業を選ぶのは非常に危険です。 入社後に後悔しないためには、初任給以外の要素にも目を向け、総合的に判断することが重要です。ここでは、企業選びで本当に重視すべき要素について解説します。
生涯年収という視点
初任給の高さだけでなく、入社後の昇給率や昇格の機会、賞与の額などを考慮した生涯年収という視点を持つことが重要です。
初任給が低くても、昇給率が高く、着実にキャリアアップできる企業であれば、結果的に生涯で得られる収入は高くなります。企業の給与制度や評価制度について詳しく調べ、長期的な視点を持って企業選びを行いましょう。
さすがに人事部も生涯年収のデータは持っていないため、平均年収を聞き出して、参考にするとよいです。



同じ業界の大手企業同士でも生涯年収は全く違いますよ
充実した福利厚生
福利厚生は、従業員の生活を支える重要な要素です。住宅手当、通勤手当、育児休業制度、介護休業制度、企業年金、社員割引制度など、企業によって様々な福利厚生制度が設けられています。
これらの制度が充実している企業は、従業員の長期的なキャリア形成やワークライフバランスを重視しています。
初任給だけでなく、福利厚生の内容も比較検討し、自分にとって必要な制度が整っているかを確認しましょう。
特に住宅手当は大事なポイントのため、会社説明会などで人事部から聞き出しましょう。


キャリアパスの明確化
入社後のキャリアパスが明確に示されている企業は、従業員の成長を積極的に支援する体制が整っていると言えます。
研修制度や資格取得支援制度、メンター制度などが充実しているかを確認し、自分がどのように成長していけるのか、仕組みがしっかりしていれば安心です。
逆の見方をすれば、各種制度が充実しているということは企業体質が利益体質であると言えます。余力がないとこのような制度は成り立ちませんからね。
長く働き続けられる環境
職場の雰囲気や社風、従業員同士の関係性といった企業文化は、仕事の満足度や定着率に大きく影響します。辞める要因のほとんどが人間関係にありますからね。
企業のウェブサイトやSNS、社員のインタビュー記事を参考に、自分に合った企業文化かどうかを見極めることが大切です。また、OB・OG訪問などを通じて、実際に働いている社員から話を聞くのも有効な手段です。
2ちゃんねるや5ちゃんねるの情報は偏っているため、真に受けないようにしましょう。
初任給が高くて、平均年収も高い企業とは


収入に注目すると初任給が高くて、平均年収も高い企業を選ぶと一番よいですよね。
企業名 | 初任給 | 平均年収 |
サイバーエージェント | 42万 | 806万 |
ディスコ | 35.5万 | 1716万 |
オービック | 33万 | 1078万 |
アステラス製薬 | 32.8万 | 1110万 |
三菱商事 | 32.5万 | 2090万 |
参天製薬 | 31.4万 | 873万 |
SCSK | 31万 | 764万 |
NTTドコモ | 30.4万 | 904万 |
NTT東日本 | 30.1万 | 938万 |
森トラスト | 30万 | 1270万 |
エーザイ | 30万 | 1053万 |
電通総研 | 28万 | 1134万 |
初任給が高くて、平均年収が高いのは実は業界で決まっております。
半導体、IT、商社、製薬、不動産と決まっているのです。決して、介護、ホテル、小売業ではないのです。
このように若いうちから給与をたくさんもらい、さらに平均年収も高ければいうことはありませんよね。
平均年収の高い企業へ就職する近道とは


平均年収が高い傾向にある業界として、半導体、IT、医薬などが挙げられます。これらの業界は、専門性が高く、技術革新のスピードも速いため、高いスキルを持つ人材が求められます。
これらの業界への就職を目指すための近道について解説します。
半導体業界
半導体業界は、現代社会のあらゆる電子機器に不可欠な技術であり、今後もっとも成長が期待される分野です。
高度な専門知識や技術が求められるため、給与水準も高いです。 この業界への就職を目指すには、電気・電子工学、応用物理学、材料科学などの分野を専攻していると有利です。また、インターンシップなどを通じて、業務の流れを理解しておくと面接も有利に働くでしょう。
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IT業界
IT業界は、ソフトウェア開発、情報システム、ネットワーク、セキュリティなど、幅広い分野で高い需要があります。 特に、AI、ビッグデータ、クラウドコンピューティングなどの分野は、今後さらなる成長が期待されており、高い給与水準が維持されると考えられます。
この業界への就職を目指すには、情報科学、情報工学などの分野を専攻していると有利で、プログラミングスキルやネットワークに関する知識があればさらによいでしょう。また、資格取得やポートフォリオ作成なども有効な手段となります。
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医薬業界
医薬業界は、新薬開発や医療技術の進歩により、常に高い専門性と倫理観が求められる分野です。
研究開発職、臨床開発職、MR(医薬情報担当者)など、様々な職種で高い給与水準が期待できます。
この業界への就職を目指すには、薬学、医学、生物学、化学などの分野を専攻していると有利です。また、製薬企業や研究機関でのインターンシップ経験は特に有利に働きます。
インターンに参加して、少しでも差をつけたいなら
まとめ:賢い選択して、後悔のないキャリアを
高初任給は、就職活動において魅力的な要素の一つですが、それだけで企業の良し悪しを判断するのは危険です。
企業の罠に陥らないためには、初任給の額面だけでなく、平均年収、離職率、過去のリストラ歴などをしっかりと確認し、生涯年収、福利厚生、キャリアパス、企業文化といった要素も総合的に考慮することが重要です。
この記事で解説したチェック項目や、高給が期待できる業界の情報などを参考に、あなたが賢明な選択を行い、後悔のない充実したキャリアを築けることを心から願っています。
目先の誘惑に惑わされることなく、長期的な視点を持って、自分にとって本当に価値のある企業を見つけてください。