エントリーシートの作成はオリジナリティーを出そうとすると意外と時間がかかります。逆にあたりさわりのない書き方だと採用担当者からは全く特徴のない人物と思われます。
そこでサークル、ゼミ、アルバイトのどれかをアピールするなら、私はアルバイトがおすすめです。なぜなら、採用担当者は特にアルバイトの話に興味を持っているからです。仕事の適応能力が垣間見えますからね。
ではどのように書いたら採用者から評価され、書類審査を無事に通過することができるのでしょうか?
私は大手企業の新卒採用活動を15年以上している現役面接官の「はれきち」です。採用側の立場で、アルバイト経験が評価される書き方について教えます。
- アルバイト経験はアピールになる
- 合否のポイントは「入社意欲」、「人間性」、「文章能力」
- 評価される書き方のポイント
- 採用者から評価される例文
- 参考にしたい内定者のエントリーシート
この記事を読むとESの書き方の要所を押さえることができ、次のステップの面接に役立つ資料となるでしょう。
エントリシートの書き方は自分をプチ自慢するぐらいで丁度よい
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採用者はエントリーシートで何を見ている?
どのポイントで合否を決めているのですか?
エントリーシートは一体何のために作成するのでしょうか?単なる自己紹介ではありません。経歴を見てもらうだけなら、履歴書で十分ですよね。ただ、ESには志望動機、自己PR、学生時代に頑張ったことを記入しなければなりません。
つまり、私はこのような人間です、是非採用してください。この詳細を説明することなのです。なぜなら、採用者が一次面接の前に『書類審査で適性を見る』判断材料にしているからです。
よって、0次面接とも呼ばれています。
採用者は3分で合否を判断
私の企業ではエントリーシート(ES)が2000通近く届きます。1枚のチェックに掛けられる時間はせいぜい多くて3分程度です。早いと1分ぐらいで、合否の判断をしています。例えあたなが数時間かけて作り込んだエントリーシートでも最大で3分程度しか見ることができません。
例えば、ひとりで2000通をチェックするなら
2000通×3分=6000分
つまり100時間/人かかります。
当然、採用者は書類審査だけに時間を割けないので、見るべきポイントを絞って合否を判定しています。
チェックされる3つの合否ポイント
3分で判断しないといけないので、次の3点が重要視されます。
・入社意欲を感じられるか<熱意>
➡熱意が高いか、低いか
・どんな人物像か想像できるか<人間性>
➡人間性がよいか、悪いか
・文章構成がおかしくないか<文章能力>
➡基本的な能力に達しているか、いないのか
熱意
文章から入社したい気持ちが伝わらないと適当にエントリーしているととらえられます。なぜ同業他社ではダメなのか、なぜ入社したいのか明確な『入社意欲』が伝わらなければなりません。
人間性
どんな行動ができる人なのか、逆境に強い人なのか、明るく前向きな人なのか、具体的な事例を交えて、どんな人物像かイメージできないといけません。文章に抽象的な表現が多いとぼんやりとした人間性になります。
頭に映像が浮かんだらOKです。
文章能力
学歴フィルターをかける超大手企業はありますが、ほとんどはありません。ただし、文章の構成が変だと「基礎能力が低い」と判断されます。自分では内容を理解できるのですが、他人から見ると、結局何が言いたいのかわからない文章になっているのはダメなのです。
熱意、人間性、文章能力を3分以内で判断しています。ダメなものは1分で落とされます。
ポイントを押さえれば、一気に合格率があがります
評価される書き方のポイント
エントリーシートにアルバイトやゼミ、サークルなどの経験を書くときのポイントを教えます。のちの面接で自己PRやガクチカにも通じる内容になっています。
- 抽象的ではなく具体的な数字で書く
- 謙虚さよりプチ自慢しよう
- 箇条書きを取り入れてもOK
- 一文を長くしない
- 短縮ではなく正式名称で記入する
- 企業名を入れても守秘義務に当たらない
抽象的ではなく具体的な数字で書く
エントリシートで大事なことは具体性です。抽象的な「長年」、「いろいろ」、「たくさん」などの表現はどれくらいなのかイメージできません。
よって、「長年」➡「3年」、「いろいろな業務」➡「4つの業務」、「たくさんの種類」➡「5種類」
数字で表せるものは数字で書くのが鉄則です。
数字を入れると格段にイメージしやすいです
謙虚さよりプチ自慢しよう
内容を謙虚に表現するより、プチ自慢するぐらいが丁度よいです。面接だと謙虚さはわかるのですが、エントリーシートでは埋もれてしまいます。
「私すごいでしょ」、「こんなのは私にしかできない」とそこまで自慢しなくてもよいですが、店長や社員さんから「このように褒められました」これぐらいプチ自慢した方が印象がよくなります。
箇条書きを取り入れてもよい
エントリーシート内は全て文章でなくても大丈夫です。表現が長くなるよりは箇条書きの方がパッとみてわかります。
例えば、
アルバイトで意識していた点は下記の3点です。
・積極性な声掛けをする
・コミュニケーション密にする
・感謝を伝える
ひとつひとつ長くダラダラ説明するより、このように最初に主張を伝えると相手はわかりやすいです。
一文を長くしない
一文が長くなると、結局何が言いたいかわらなくなります。
例えば、上の箇条書きを一文にするとこうなります。
私はアルバイト中に意識していたことを3つ紹介すると、他の従業員へ積極的に声掛けをしたり、時間があればコミュニケーションを密に取ったり、最後に必ず感謝を伝えてるよう心掛けていました。例えば、○○…
どちらか、パッと見てわかりやすいでしょうか?無理に箇条書きにしなくてもよいですが、一文を短くすると読みやすくなります。
一文が長くならないよう区切った方が、相手は読みやすいです。
採用者のことを考えればみやすさは大事ですね
短縮ではなく正式名称で記入する
エントリーシートは正式名称での記入が原則です。
例えば、バイト➡アルバイト、コンビニ➡コンビニエンスストア、ファミレス➡ファミリーレストランのように記入しましょう。
また、同様に業界用語を使うと理解されない場合があります。
ワンオペ、レイバー、オペレーションは知らないと内容が伝わらないので使わないようにしましょう。
企業名を入れても守秘義務に当たらない
アルバイトなら、ハンバーガーショップという書き方ではなく、マクドナルドと記入して問題はありません。守秘義務違反にあたると言う人がいますが、そんなことはありません。
転職活動をする際は前職がどんな企業で働いていたか必ず社名を履歴書に入れます。要はマクドナルドで知り得た情報(ノウハウ)を漏らすことが守秘義務違反に該当するのです。
ただ、気を使っていることアピールするなら企業名を伏せてもいいでしょう。
アルバイト経験はアピールになる
採用者としてはゼミやサークル活動に比べて、アルバイト経験は適性をはかる指標として参考になります。仕事に通じるものがたくさんありますから。だから採用担当者はバイトネタが好きなんです。
アルバイト経験は、自分の能力や人間性を示すだけでなく、社会人としての基本的なマナーやコミュニケーションスキルを身につけたことをアピールできますからね。
やはりアルバイト経験は仕事ができるタイプ、できないのか判断材料になります。
よって、アルバイト経験を上手くアピールできれば、高い評価を得ることができます。ESは合格すれば終わりではなく、その後の面接に引き継がれる大事な資料となります。
ESにはサークルの欄はありませんが、アルバイト歴はあります。ない場合もありますが、自己PRの中にアルバイト経験を組み込めばアピールができます。長いバイトが有利で短いバイトが不利になることはありません。
そう単純ではないのです。
要はアルバイトの経験を通じて、『何を得たか』、このことが非常に大事なのです。
長期間に及ぶ場合
ひとつのアルバイトが2年、3年と長期間に及ぶ場合は何をアピールすればよいのでしょうか?
期間が長くなれば、任せられる範囲が広くなっているはずです。
例えば、居酒屋であれば、皿洗いからスタートして、厨房での調理を任せらるようになっていますよね。接客であれば、クレーム対応まで任せられ、そして店長へ助言する立場に成長してるかもしれません。
★アピールポイント①
・長く勤めたことで身に付いたスキル
・社員からの信頼が厚い
幅広い業務をさせてもらうには社員の信頼がないとできませんよね。または、自分がどれだけ成長したのか、これらをアピールするとよいでしょう。
<例①>
私は居酒屋で3年間アルバイトをしてきました。この経験から応対力が身に付きました。酔っ払って大きな声を出したり、注文が遅いと怒るお客様に対して、誰よりも素早い応対を心掛けました。結果、真摯に理由を説明すれば、納得していただけることが、わかりました。この行動が店長の目に留まり、今ではフロアマネージャーを任せてもらえるようになりました。
<例②>
私は居酒屋のアルバイトで2年間厨房を担当しました。この経験でコスト意識が身に付くようになりました。
・季節
・曜日
・天気
によってどのくらい材料が必要になるか予測できるようになったからです。このスキルのおかげで、アルバイトを始めた時より食品ロスを30%カットすることができ、お店の利益に貢献できるようになりました。
<評価されるポイント①>
・どんな力が身に付いたか結論から伝えている
・具体的な数字で表している
・社員の評価や貢献度がわかる
★アルバイト歴の記入欄には、居酒屋(3年間)と書きましょう。
複数あるいは掛け持ちの場合
期間は長くはないが、2、3個アルバイトを経験したり、2個同時掛け持っていることもあるでしょう。
複数経験しているならいろんな業界を垣間見ることができます。私も学生時代に居酒屋、コンサートの警備員、布団製造所といろんな業界のアルバイト経験しました。
★アピールポイント②
・どんな業種に対しても『適応力』がある
・掛け持ちは『好奇心』が強く、『チャレンジ精神』がある
短期でいくつかアルバイトを変えているなら、どんな仕事でもそつなくこなす『適応力』をアピールしましょう。掛け持ちをしているなら、好奇心が強いあるいはチャレンジ精神をアピールできます。
<例①>
私はこれまの2年間で、居酒屋、警備員、倉庫作業員と全く異なる業種でアルバイトを経験しました。求められる品質やサービスはそれぞれ違いますが、持ち前の探求心で要領を早くつかむことができました。一番気を使ったことは次にどんな作業が必要になるか、常に一歩先を考えて行動することでした。結果、業種は違えども品質やサービスを追求することに変わりはないことがわかりました。
<例②>
私は居酒屋と警備員のアルバイト1年掛け持ちしております。学費を稼ぐためだけではなく、人と接したり、責任ある仕事がしたいという好奇心から始めました。人と接することが好きなため、挨拶は必ず自分からするように心掛けました。そうすると1ヶ月も経たないうちに職場の雰囲気が一気に明るくなりました。お陰で全従業員から下の名前で呼ばれるようになりました。
<評価されるポイント②>
・仕事がちゃんとできることをアピールする
・読むだけで人柄が想像できる
・あたなが入社したら職場によい影響を与える
★アルバイト歴の記入欄には、複数の場合は居酒屋、警備員、倉庫作業員と記入しましょう。
掛け持ちの場合は居酒屋、警備員と記入して問題ありません。
エントリーシートはあなたのプチ自慢をしっかり記入してください。テクニックとしては自分の役割の説明だけでなく、店長や社員の評価を入れるとあなたの仕事ぶりがワンランク上がります。
参考にしたいエントリーシート
そうは言っても簡単に作成できないのがエントリーシートです。何かを参考にして書きたいですよね。しかも、内定者が書いたESを参考にすると傾向がつかめます。おすすめの3つを紹介します。
全て無料でダウンロードできますので安心してください。
100社分の内定者ESを読む
内定者が作成しているので、参考になります。コツとしては丸パクリするのではなく、内定者の傾向をつかむことです。文章の型、言い回しなど共通項を探すと書きやすくなります。
ひとつひとつの題材は違いますがパターンは似てますよね。書き方が分かればどの業界でも使えるようになります。厳選した内定者ES100選は丁度読みやすい量になっています。
対策資料のまとめ
>>就活生にとって有益な情報やコンテンツを配信!【就活情報サイト-キャリch】
こちらはエントリーシート以外も充実しております。
情報サイト【理系ナビ】
理系であれば、インターンシップに強い理系ナビがおすすめです。ESの書き方をwebセミナーで頻繁に紹介しています。実際に添削をしてもらうなら、無料でやってくれる理系ナビがいいですね。理系ならではの情報が豊富で是非取り入れたいひとつです。
>>理系ナビ
これらのエントリーシートを参考に、入社意欲を盛り込み、あなたの人間性がわかるように具体例を入れて書いてみましょう。
最初から100点の文章を作成しようとすると時間がかなりかかります。コツとしてはまず70点のESを作成し、徐々に100点に近づけるよう推敲(すいこう)していく方が早く完成します。
アルバイト経験が乏しい場合
アルバイト経験がスポットの数回程度であれば、実績としては不十分です。または、アルバイト経験が全くないとアピールできませんよね。その場合は、ゼミ、サークル活動をアピールしましょう。
面接での自己PRのネタはほとんどがアルバイト、サークル、ゼミです。これら3つで8割以上を占めています。迷うならサークル(部活)、ゼミの活動を盛り込めば大丈夫です。
>>【面接官回答】自己PR考えなくても大丈夫!エピソードネタ【ベスト5】
まとめ
アルバイト経験があるならば、エントリーシートに盛り込むとアピールになります。なぜなら、採用担当者はゼミやサークル活動に比べ、アルバイトはあなたの適性を判断しやすいからです。仕事という観点では同じですから。
上手くアピールするにはどんなスキル(力)が身に付いたかを記入し、社員から褒められたことを足せば、客観的な評価が得られます。
ゼロからエントリーシートを作成しようと思えば、時間はかなりかかります。事前に内定者のESをダウンロードし、作成パターンや言い回しを参考にすると評価されるポイントが見えてきます。
いきなり完璧な文章を目指さず、70点ぐらいでもよいので一通り作成し、その後に推敲して100点を目指すようにすれば、効率よく短時間で作成ができるでしょう。