今度のWeb面接がAI面接官だと知った場合、一体何をどう気をつけたらよいのか、疑問ですよね。
ChatGPTの登場で企業の採用活動は大きな変化を迎えております。特に人工知能(AI)を搭載した面接官は、現代の採用面接における新たなツールとして注目を集めており、キリンホールディングスや横浜銀行といった大手企業をはじめ、徐々に導入し始めています。
私は大手企業の採用活動に15年以上携わっている現役面接官の『はれきち』です。実は私の会社でもAI面接官の導入を検討しており、来年度あたりには実装しているかもしれません。
- 企業がAI面接官を導入する背景
- AI面接官の特徴と注意点
- AI面接官は何を合格基準にしているのか
- 攻略ポイント5つ
この記事では、就職活動中の皆さんがAI面接に自信を持って臨み、成功するための知識と戦略を提供することを目的としています。
時代の流れから、Web面接が主流となっている今日ではAI面接の現状を理解し、効果的な対策を講じることで、合格への道を切り開くことができるでしょう。
AI面接官は回答内容だけでなく、表情や声のトーンも認識できているので気を付けて!
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なぜ企業はAI面接官を導入するのか

企業は対面オンリーの面接ではなく、オンラインと併用したり、Web面接のみの会社が増えています。その流れからさらに発展し、AI面接官を導入する企業が現れてきました。
では、なぜ企業はAI面接官を導入するのか、背景を探っていきましょう。
・公平性が担保できる
・面接の効率化を図れる
・客観的に評価できる
公平性が担保できる
AI面接官の導入は、採用選考における公平性を高める狙いがあります。面接官が10人入れば、10人の感性によって合否が出されます。
私の会社でも、面接官によって合否が分かれる場合があります。それは見ているポイントが違うからです。
同じエピソードだとしても、面接官の受け取り方で評価が変わるのです。面接官によって、評価基準が違うので公平、不公平感がどうしても出てしまいます。

複数人の面接官が評価するので、好みによって大きく変わります
その点、AI面接官はすべての就活生に対して一貫した評価基準を適用することができます。一方、人間の面接官だと潜在的に存在する先入観や今までに基づいた経験値で評価を下してしまうのです。
また、面接をせずに書類選考だけで不合格を下していた就活生に対して、チャンスを与えることができます。選考の幅を広げることにより、今まで埋もれていた人材を拾い上げることができるのです。
よって、「面接もせず、書類選考だけで一体俺の何がわかるんだ!」と怒ることは減るでしょう。
面接の効率化が図れる
AI面接官は、時間や場所に制約されることなく、極端に言えば、365日24時間いつでも面接を実施できるため、採用プロセス全体を短縮できます。
私の会社では土日の面接や夜の面接をやっていません。それは休日出勤や残業の問題があるからです。本来効率化を図るなら、土日や夜の面接を実施すれば、面接期間は一気に減るでしょう。
AIによる自動化は、就活生にとっても都合の良い時間に面接を受けられるというメリットがあり、迅速なフィードバックや採用までの期間短縮につながります。
このように、AI面接の導入は、企業と就活生の双方にとって、よりスムーズで効率的な採用活動を実現するでしょう。
企業の人事担当者も大人数の一次面接段階で多くの時間を費やす必要がなくなり、より戦略的な業務や対面での最終面接などに集中できるようになるのです。



導入すれば、双方にとってWin-Winなんですね
客観的に評価できる
AI面接官は、事前に設定された評価基準に基づき、応募者の回答内容、表情、声のトーンなどを分析し、客観的な評価を下します。
AIは、これらの評価項目に対して一貫したスコアリングを行うことができるため、評価のばらつきを抑え、より公平な判断を下すことができます。
私の会社では採用基準の各項目を各々の面接官が点数をつけています。例えば、面接官Aは80点だけど、面接官Bは65点と評価を下します。つまり面接官の主観的評価となるのです。
しかし、AIによる客観的な評価は当然限界があります。あくまでプログラムされた範囲内での分析に限定されるためです。就活生の経験や能力の全体像や文脈の理解といった、人間ならではの深い洞察には限界があるのです。
AI面接官の特徴と注意点


AI面接官は何をどこまでできて、何ができないのか気になりますよね。その特徴を知っているのと知らないのでは大きな差となります。
AI面接官ができること
AI面接官は人工知能を活用し、就活生の回答内容がテキストデータとして解析され、キーワードの有無、論理構成、回答の完全性などを評価します。
また、面接中にWebカメラを通じて記録された就活生の表情は、笑顔の度合い、視線の動き、顔の向きなど、様々な要素が分析され、エンゲージメント、自信、ポジティブさといった感情を推測します。
さらに、声のトーン、ピッチ、話すスピード、声量、発言の間なども分析され、緊張度、自信の有無、コミュニケーション能力なども評価されます。
AIシステムによっては、就活生の回答に応じて追加の質問を行う機能も搭載されており、より深い理解を目指す場合があります。
このように、AI面接は、言語情報だけでなく、非言語情報も総合的に分析し、各チェックポイントを数値化することで、最終的な合否判定を支援するシステムとなっています。
よって、就活生は、回答の内容だけでなく、話し方や表情など、自身のプレゼンテーション全体に意識を向ける必要があるのです。



声量やトーンも見られているのですね(汗)
AI面接官にできないこと
おいおい、もはや人間と同じじゃないかと思いますよね。ただ、AI面接官は導入してまだ浅いので、できないことが存在します。
それは人間のような柔軟な対応は期待できません。
例えば、就活生からの予期せぬ質問や個性的な回答に対して、適切に対応することが難しい場合があります。また、言葉のニュアンスや行間を読むといった、文脈を正確に理解する能力も、現時点ではまだ発展途上です。
そのため、注意点としては複雑な状況説明や曖昧な表現が、AIに正しく伝わらない可能性があります。就活生はAIの特性を理解した上で、明確かつ簡潔なコミュニケーションを心がけることが重要です。
項目 | AI面接官 | 人間の面接官 |
評価の主体 | 事前に設定されたアルゴリズム、学習データに基づく客観的な評価 | 面接官個人の経験、知識、価値観に基づく主観的な要素を含む |
総合的な評価 | 回答内容のテキスト分析、表情・声のトーンのデータ分析に特化 | 回答内容、表情、声のトーンに加え、雰囲気、熱意など多角的に評価 |
得意な評価 | 大量のデータを基にした客観的なスキル評価、効率的なスクリーニング | 個別の人柄、潜在的な可能性、企業文化との適合性などの評価 |
感情の理解 | プログラムされた範囲内での感情分析に留まり、深い共感性は限定的 | 言葉のニュアンス、行間、感情の変化を理解し、共感的な対応が可能 |
効率性 | 24時間365日対応可能で、効率的に大人数の選考を実施可能 | スケジュール調整や時間的制約があり、大人数の選考には時間がかかる |
AI面接官は何を合格基準としているのか


攻略法を探るには、AI面接官が何をどう評価しているのか、分かれば簡単ですよね。
3つの構成から成り立っている
採点方法は大きく分けて、3つから構成されています。まず、AI面接官はカメラ、マイクから情報を吸い上げ、回答からは事前のインプット情報と照らし合わせ、良し悪しを判断しています。
・表情と目線がよい
・声のトーンがよい
・回答内容の明瞭さ
表情と目線がよい
表情の明るさを評価に入れています。つまり笑顔を見せているか、もっと言うと口角が上がっているかを判断しているのです。
表情の明るさは積極性や対人能力の高さを表しています。
また、目線が一定だと自信があり、発言の信ぴょう性が増す効果があります。逆に目線が泳いだり、下を向くと考えが定まっていない、自信がないようなイメージになるのです。
印象をよくするには口角と目線が重要なポイントとなります。



カメラで見られているので意識してください


声のトーンがよい
回答が適切なスピードであるかをチェックされます。例えば、早口になっておらず、落ち着いて話しているか。
また、声量が小さくないか、しっかりハキハキ発言できているかを評価されています。自信がない人ほど声は小さくなり、最後が聞き取れない状況となります。
ハキハキ話すことができれば、説得力あると判断されます。
声はしっかりAI面接官に拾われているので、落ち着いて、ハキハキやや大きめの声で答えるようにしましょう。
回答内容の明瞭さ
回答内容はダラダラ長くならないよう、短めな文章で伝えていきましょう。特に結論から先に答えるようしてください。結論を話さないとAIがトータルの内容から判断しなければなりません。
やはり結論➡理由➡具体例➡結論の順に短く区切って話すと理解されやすいです。
その際、企業が求めるキーワードを入れると評価が上がります。キーワードとは会社説明会やインターンシップで必ず出ているはずです。
例えば、
<企業が求めるキーワードとは>
・ミッション、企業理念
・事業内容、サービス名
・求める人物像、スキル
・業界のトレンド、立ち位置
評価項目と照らし合わせて判断
あらかじめ評価項目はプログラムに組み込まれています。企業によって多少異なりますが、ここではベーシックな10項目を解説します。
・バイタリティー(活力)
➡仕事に対するエネルギーや積極性があり、意欲的に行動できる
・イニシアティブ(主体性)
➡指示を待たずに主体的に動け、自分から提案・行動する力
・対人影響力(コミュニケーション力)
➡相手に良い影響を与えられ、説得力や周囲を巻き込む力
・柔軟性(適応力)
➡変化に対応し臨機応変に動け、新しい状況にも順応できる力
・感受性(共感力)
➡他者の気持ちを理解し、適切に対応できる力
・自主独立性(自立性)
➡自分で考えて行動でき、責任を持って仕事を進める力
・計画力(戦略性)
➡目標を立て効率的に進め、スケジュール管理ができる
・理解力(思考力)
➡物事を正しく把握し、論理的に考えられる
・表現力(発信力)
➡考えや意見をわかりやすく伝えられる
・ストレス耐性(精神的強さ)
➡プレッシャーや困難な状況を乗り越える力
これらの項目に照らし合わせ、点数化し合否を判断しているのです。
私の会社でも似たような項目で点数化しています。ただ、面接官によって、点数のバラつきはどうしても出てしまいます。AI面接は基準がひとつなので、バラつきはありません。その点、公平性がたもたれていると言えますね。
攻略ポイント5つ


AI面接官対策として、どのようにすれば合格し、内定に近づけるのか攻略法を教えていきます。
ポイントは見た目をよくして、回答はハキハキ答え、回答内容では明瞭さを心がけることです。
・口角を上げて、目線はカメラに向ける
・回答はハキハキ話し、声量を上げる
・回答内容は明確かつ簡潔にする(複雑化させない)
・回答はポジティブな意見を伝える
・評価項目に合致するキーワードを入れる
口角を上げ、目線はカメラへ
AI面接ではWebカメラを通じて、あなたの様子を終始撮られ分析されます。そのため、面接中は常に姿勢を正し、落ち着いた態度で臨むことが重要です。
目線はカメラをまっすぐ見つめ、自信を持って話すように心がけましょう。不必要に視線をそらしたり、周囲をキョロキョロ見渡したりする行為は、自信がない印象を与えてしまうのでやめましょう。
話を聞く姿勢も大事になるため、油断できません。口角を上げ表情の明るさにもしっかり、気を配りましょう。
画面に映る自分の姿を意識し、誠実な印象を与えるように努めることが肝心です。
回答はハキハキ話し、声量を上げる
AIは、あなたの声のトーンや話し方を分析し、コミュニケーション能力や熱意を評価します。
自信を持って、はっきりと聞き取りやすい声で話すことが大切です。
声が小さすぎたり、早口になったりすると、AIが内容を正確に認識できない可能性があります。普段よりも少し大きめの声で、ゆっくりと話すことを意識すると良い。
また、単調な話し方ではなく、適度な抑揚をつけて話すことで、より魅力的な印象を与えることができるでしょう。
回答内容は明確かつ簡潔にする(複雑化させない)
質問に対して明確かつ簡潔に答えることが非常に重要です。
AIは、複雑な言い回しや曖昧な表現を理解することがまだ苦手です。結論を最初に述べ、理由や具体的な例を簡潔に説明するように心がけましょう。
PREP法(結論→理由→具体例→結論)やSTAR法(状況→課題→行動→結果)などのフレームワークを活用して、論理的に構成された分かりやすい回答を準備しておくと効果的です。
回答はポジティブな意見を伝える
AI面接では、あなたの発言内容がテキスト分析され、ポジティブなキーワードの使用頻度なども評価されます。
困難な経験について話す場合でも、そこから何を学び、どのように成長できたのかといった、前向きな視点を強調するように心がけましょう。
否定的な意見や批判的な発言は避け、常に建設的で意欲的な姿勢を示すことが大切です。
評価項目に合致するキーワードを入れる
プログラムに評価項目が組み込まれているので、キーワードをうまく活用しなければなりません。
わかりやすくするため。表にまとめました。参考にしてください。
評価項目 | キーワード(例) | 具体的なアピール |
①バイタリティー | 粘り強さ、責任感、エネルギッシュ | 挑戦や困難の克服を熱意持って具体的に伝える |
②イニシアティブ | 向上心、創意工夫、自発的 | 改善や目標達成に向けた主体的な行動と成果を説明する |
③対人影響力 | 共感力、気遣い、チームワーク | 協力し目標を達成した経験を役割と貢献とともに語る |
④柔軟性 | 状況理解、フレキシブル、適応力 | 予期せぬ状況での対応と結果を簡潔に説明する |
⑤感受性 | 共感力、気遣い、チームワーク | 相手の気持ちを理解し、適切な行動をとった経験を具体的に語る |
⑥自主独立性 | 自己主張、妥協しない、自立 | 自分の意見を貫き、周囲に流されず主体的に行動した経験を伝える |
⑦計画力 | PDCA、時間管理、見通し | 計画的に行動し、数値で成果を示した経験を説明する |
⑧理解力 | 情報整理、論理的思考 | 質問の意図を正確に理解し、簡潔かつ的確に答える |
⑨表現力 | 明瞭な話し方、説得力 | 結論を先に述べ、論理的に整理し、相手が聞き取りやすい声で話す |
⑩ストレス耐性 | 冷静な判断、忍耐力、対応力 | 困難な経験を具体的に語り、乗り越えた過程と学びを説明する |
キーワードについては会社説明会やインターンシップに参加していれば、この会社は何を大事しているのかわかるはずです。
そのポイントを上手く回答内容に組み込めば、AIの評価項目とバチッと合い高得点に繋がるでしょう。
私の会社でも「教育制度の充実さ」や「他社と差別化しているサービス内容」について、関心を持ってくれたり、言及してくれると嬉しいものです。
やはり内定率アップにはあたりさわりのない回答より、入社意欲をストレートに伝えることが近道になります。


AI面接を導入している企業一例


導入している企業もあれば、試験的に導入しているところもあります。
・キリンホールディングス
・横浜銀行
・三菱UFJ銀行
・ファーストリテイリング
・ローソン(試験的に導入)
今後、超大手企業や人気企業は採用コストを圧縮するため、間違いなくAI面接を導入していきます。
ちなみに私の会社で試算したところ、コストメリットはまだトントンでしたが、もう少し導入コストが安くなれば、間違いなく踏み切るでしょう。現在はどのようなものなのか、情報収集しているところですから。
AI面接官にかかわるQ&A
AI面接官にかかわる疑問についてお答えします。
- AI面接は事前に知ることはできるのでしょうか?
-
企業によって事前にお知らせしない場合があります。就活会議などの口コミサイトで情報収集しておきましょう。
- AI面接中に画面がフリーズしたり、電波が悪くなった場合はどうしたらよいのですか?
-
必ず社員が立ち会っているので、画面越しに伝えてもらえば大丈夫です。
- AI面接官はこちらの緊張感を感じ取れるのでしょうか?
-
感じ取ることはできませんが、声のトーンや目線に影響がでれば、認識されます。
- AI面接官に、人間のように熱意や意欲は伝わるのでしょうか?
-
声の抑揚やトーン、ゼスチャー、キーワードなどから熱意として認識されます。
- 質問の意味が分からなかった場合、聞きなおしてよいのでしょうか?
-
聞きづらい時も聞きなおして大丈夫です。その場合、ハッキリ伝えましょう。
AI面接官だからと言って、特別に身構える必要はありません。通常の人間と同様に接するよう心がけましょう。要は平常心で臨めるかがカギになります。
このように現役面接官のアドバイスをもらいながら就活を進めたいなら、下記の就活サイトがおすすめです。
>>大手企業の現役面接官が運営する就活エージェント【ユメキャリAgent】
まとめ
AI面接という新しい選考方法に対して、戸惑いや不安を感じる方もいるかもしれません。
しかし、この記事で解説したように、AI面接官の仕組みや評価ポイント、そして攻略法をしっかりと理解し、準備をすれば、決して恐れる必要はありません。むしろ、AI面接は、皆さん自身の能力や経験を客観的に評価してもらうためのチャンスと捉えることができるでしょう。
本記事では、AI面接が就職活動に与える影響から、AI面接官の具体的な仕組み、評価されるポイント、そして合格するための実践的な攻略法まで、幅広く解説してきました。
重要なポイントを改めておさらいすると、AI面接では、姿勢、目線、声のトーンといった外見的なものから、明確かつ簡潔な回答内容、そしてポジティブな回答が重要となります。また、AIが評価するバイタリティ、イニシアチブ、計画性などの要素を意識し、具体的なエピソードを交えてアピールすることが成功への鍵となります。
あと数年経てば、人間に代わってAI面接官が間違いなく主流となっているでしょう。そのぐらいAIの進歩は目覚ましく、どの企業も使っていかないとコスト削減や効率化を高めることはできませんからね。
もうこれでAI面接は怖くないですよね、頑張ってください。