事前にブラック企業とわかっていれば、誰も入社する人はいませんよね。ほとんどは気づかず入社して、『こんなブラック企業だとは思わなかったわ』と後悔するパターンです。
社会人経験のない就活生が「ブラック企業」か「ホワイト企業」か事前に見分けることはできるのでしょうか?
実は次の『3つの質問』でブラックかどうか見分けがつくのです。
私は大手企業の新卒採用活動を15年以上している現役面接官の「はれきち」です。採用する側の立場として、入社する前にブラック企業を回避するすべを教えます。
・ブラック企業の明確な定義はない
・上司より社風の方が問題
<見分ける3つの質問>
①平均残業時間はどのくらいか?
②離職率はどのくらいか?
③ハラスメント教育をしているか?
この記事を読むと会社説明会や面接でこの3つの質問をすれば、ブラック企業かどうか判断できます。昔はタブーな質問でしたが、働き方改革で状況が一変しました。結果、ブラック企業かどうかを入社前に見分けることできるでしょう。
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ブラック企業の見分け方
「ブラック企業には絶対に入りたくない!」と誰もが思いますよね。知らずに入社すると我慢し続けるか、辞めるかのどちらかになります。
我慢し続けてうつを発症することはよくあります。ではどうやってブラック企業を見分けたらよいのでしょうか?
2ちゃんや5ちゃんねるに書いてあるからすぐ信用して、『ブラック企業だ!』と認定はできません。
ブラック企業の定義とは
あたなの思う『ブラック企業の定義』は何でしょうか?
- サービス残業
- 厳しいノルマ
- きつい肉体労働
- 休日が取れない
- 給与が安すぎる
- 賞与がでない
- パワハラ
- セクハラ
- 男女差別
- コンプライアンス違反
人によって微妙に違いますよね。実はどうなったらブラック企業と言えるのか、明確な基準はありません。
それもそのはず、厚生労働省において、ブラック企業の明確な定義がないのです。
ただ、一般的な特徴として
《ブラック企業の特徴》
・長時間労働(月80時間以上)
・サービス残業が多い
・無理なノルマを課す
・パワハラ、セクハラが横行
・労働環境が過酷
残業時間として過労死が認定される80時間以上が毎月続いたり、賃金を払わないサービス残業が多いとアウトです。完全に労働基準法を違反している状態です。
上司が高圧的にパワハラでノルマを課してくるのもダメですよね。
労働環境が暑すぎる、寒すぎる、臭すぎる、うるさすぎなのに改善しない、休日出勤を強いられたり、有給休暇を取らせないならブラック企業といえるでしょう。
上司より社風(組織的)が問題
ここで重要なのは問題を起こしているのが上司なのか、社長を含む社風や組織的なのかです。私は組織的に問題を抱えているアウトな会社をブラック企業と認識しています。
このような企業に絶対入社してはいけません!
配属した部署の上司が変わった人で無理難題を言ってくることはよくあります。どの会社や部署でも必ずいます。(はい、残念ながら…。)下ネタ連発の上司やノルマがきつい上司、やたら敬語に厳しい上司といろんな人が会社にいますから。
個人だけなら、やりようによっては回避できますが、社風や組織的な問題になると、あなたの力でどうこうできるレベルではなくなります。
サービス残業を強いられる社風だと自分だけ残業を申請することは難しいのです。ブラック企業は明確な定義があるわけじゃないですが、組織的に法令を逸脱している状態といえます。
ニュースに取り上げられるのは超大手企業だけです
ブラック企業を回避する3つの質問
インターンシップ、企業説明会、面接時に人事部もしくは採用担当者へ3つの質問をするとブラック企業かどうか判断できます。これは新卒、中途採用においても同様です。
見分ける上で重要なキーワードは3つです。
質問に対して採用担当者が『詳しく調べてない、わからない、答えを控える』などの返答だと危険信号です。
私はこのように『あいまいな返答する企業は避けた方がよい』と考えます。人事部はすべてのデータを必ず持っているので、知らないわけはありません。
そもそもこんな踏み込んだ質問をしてよいのかと思ってませんか?
昔はタブーとされていた質問でしたが、今では働き方改革が推進されたことで状況が一変しました。時代はワークライフバランス、働き方改革です。政府が強力に後押ししている施策ですからね。
企業は2019年から『働き方改革関連法』は義務になってますから必ず取り組んでいます。
・時間外の上限規制(従来は繁忙期80時間/月もOKだった)
・有給年5日の消化(従来は決まっていなかった)
会社説明会で聞けないなら、面接官との距離感が縮まっている二次面接、最終面接で確認するとよいでしょう。どうしても聞きにくいなら、座談会を利用したり、OBに聞いてみるのもありです。
本当にダメな逆質問はこちらを参考にしてください。
平均残業時間
長時間労働の蓄積は肉体的にきつく、また精神的にも悪影響をもたらします。帰宅後、夜食とお風呂に入るだけで0時を超える生活が続くとどんな好きな仕事でも嫌になります。
あなたの友達やOB、OGにいませんか?
話を聞いたことがあるかもしれません。長時間労働の職場を回避するために、 平均残業時間がどれくらいか確認しましょう。
似たような質問で『サービス残業はありますか?』がありますが『はい』と答える面接官はいません。こちらは失礼にあたる質問のためやめましょう。法令違反ありますか?と聞いているようなもんですから。
企業は残業時間を把握していないことは絶対にありません。
大企業であれば、2019年4月から、中小企業であれば2020年4月から時間外労働の上限規制がかかるようになったからです。罰則もあるので、人事部は必ず把握する必要があります。
引用元:厚生労働省
平均残業時間が45時間を超えていると確実に法令違反となります。
よってブラック確定となります。採用担当者の答えが10~30時間/月に納まっていれば、問題はないでしょう。
もっと突っ込んで聞ける雰囲気であれば、残業の軽減もしくはサービス残業をなくす取り組みについて聞くともっとわかるでしょう。
離職率
離職率とは会社を辞めていく人の割合です。よい会社、働きやすい環境が整っていると辞める人は当然少なくなります。
離職率は『働きやすさの目安』になるのです。新卒3年後の離職率を聞くとよいでしょう。
新卒3年後の離職率が30%を超えていると注意した方がよいでしょう。
例えば、入社して3年後に10人中5人しか残っていないと離職率は50%となります。このようにネガティブな情報は聞かないと教えてくれません。新卒の離職率が高い企業は何らかの原因があります。
例えば、
- 長時間労働
- サービス残業が多い
- ノルマがきつい
- 休日出勤を強いられる
- 職場の雰囲気が悪い
- ワンマン経営
- 企業説明会とのギャップ
- 給与が安い
- 工場が超肉体労働
などが組織的に行われていると判断できます。
理由はどうであれ、企業としては辞めてもらうことが一番困るのです。生産性が悪くなるだけでなく、残る人に負担が大きくかかりますから。
離職率と残業は密接な関係があります。離職率が高くなると残る人への残業がその分増えますので。
離職率高い➡残る人の残業増➡耐えられず退職➡人入れてもすぐに辞める➡残る人の残業増
このように悪循環におちいるのです。それだけ肉体的や精神的にきつくなります。
「新卒3年後の離職率」が低い100社ランキング
引用先:東洋経済オンライン
上場会社は離職率を掲載していることが多いですが、非上場企業は聞かないと教えてくれません。離職率の低い企業は必ず、社員を大事にする取り組みをしています。
1年目の社員は不安になりやすいため、相談窓口として2~3年目社員をパートナーにしたり、孤立しないようチーム制をひく会社もあります。
2~3年目社員には上司に相談しにくいことを人事部がヒヤリングしてアドバイスする仕組もあるでしょう。
質問をして面接官が具体的に離職率を下げる方法を教えてくれれば、人を大事にしている企業といえます。社員同士がコミュニケーションをしっかり取っている企業は離職率が低いです。
ハラスメント対策
パワハラ、セクハラ、モラハラ、マタハラなどたくさんのハラスメントがあります。わかりやすく言うと『暴言、いじめ、無視』です。
加害者側の上司がハラスメントに対して、理解していないことが多いです。さらに困ることは、上司だけでなく、職場全体が当たり前のような雰囲気になっていることです。
ハラスメントはモラルが低いと起こります。このような環境に新人が入るとどうなるでしょうか?
慣れれば問題ないかもしれませんが、耐えれない人の方がほとんどです。企業体質(モラル)を確かめるため質問してみてください。
このように質問をして、『特にしてません』や『個人に任せている』と回答した場合は危険です。ハラスメント講習は企業として取り組まなければなりません。
特に女性、高齢者、障害者に対して、厳しい会社はよい会社ではありません。2020年4月からハラスメント規制法が施工されてます。そのため企業は必ず対策を取らなければなりません。
ハラスメント対策はどうしているか質問をすれば企業の姿勢がわかります。
大手企業になるとコンプライアンス室やリスクマネジメント室の部署や委員会があるので、統制が取れています。内部通報制度があると調査され、加害者は処分されます。
ブラック企業を事前に見極める方法
事前にブラック企業かどうか調べる方法はないのですか>
いくつかあるが鵜呑みは危険です
・厚生労働省のホームページからチェック
・ブラック企業大賞を参考にする
・○○会社 労働基準法違反と検索する
厚生労働省のホームページ
厚生労働省の労働基準関係法令違反に係る公表事案から調べる方法です。
厚生労働省の労働基準関係法令違反
引用元:厚生労働省労働基準局監督課
厚生労働省が送検された企業を公表しています。実名を公表されるとリアルですよね。各都道府県の情報がまとめられています。
労働基準法の違反だけでなく、労働安全衛生の違反もあるので建築系の企業が多いのが難点です。
ブラック企業大賞
誰もが安心して働けることを目的として、ブラック企業大賞実行委員会が毎年ブラック企業大賞を決めています。
>>ブラック企業大賞
ブラック企業大賞実行委員会メンバー
河添 誠(労働運動活動家/都留文科大学非常勤講師)
坂倉 昇平(NPO法人POSSE理事、ブラック企業ユニオン代表)
佐々木亮(弁護士)
神部 紅(ユニオンみえ書記長)
土屋トカチ(映画監督)
古川琢也(ルポライター)
松元千枝(ジャーナリスト)
水島宏明(ジャーナリスト・上智大学教授)
引用元:ブラック企業大賞
【ブラック企業を見極める指標】
引用元:ブラック企業大賞
●長時間労働
●セクハラ・パワハラ
●いじめ
●長時間過密労働
●低賃金
●コンプライアンス違反
●育休・産休などの制度の不備
●労組への敵対度
●派遣差別
●派遣依存度
●残業代未払い(求人票でウソ)
これらの指標を基にブラック企業大賞実行委員が選出します。ちなみに2019年のブラック企業大賞は
【大賞】
三菱電機株式会社(メルコセミコンダクタエンジニアリング株式会社)【ウェブ投票賞】
楽天株式会社※ウェブ投票賞の結果は以下の通りとなります。
引用元:ブラック企業大賞
1.楽天株式会社 10303票
2.三菱電機株式会社(メルコセミコンダクタエンジニアリング株式会社)7507票
3.株式会社セブン‐イレブン・ジャパン 919票
4.長崎市 439票
5.吉本興業株式会社 327票
6.株式会社電通 297票
7.KDDI株式会社 274票
8.トヨタ自動車株式会社 101票
9.株式会社ロピア 66票
マスコミで話題になりやすい大手企業が選ばれる
確かにニュースやマスコミ、雑誌で取り上げられた企業が上位にいますね。
○○会社 労働基準法違反で検索
自分が志望している企業がブラックかどうか確認したい場合は○○会社 労働基準法違反で直接ネット検索するのがよいです。
大手企業だと、違反していれば必ずヒットします。残業代の未払いや過労死の認定の情報を探せますから。
話題になりにくい中小企業はヒットしない
5ちゃんねるは参考にならず
5ちゃんねる(2ちゃんねる)の口コミ情報はあまり参考になりません。おもしろおかしく、大げさに書き込む人が多いからです。特に辞めた人が客観的に書き込むことは不可能ですからね。
ブラック率の高い企業、低い企業
ブラック率の高い企業、低い企業はどのように見分けたらよいのでしょうか?
- ホワイト<超大手企業<大手企業<中小企業<ブラック
- ホワイト<労働組合がある<労働組合がない<ブラック
- ホワイト<官公庁<非営利団体<民間企業<ブラック
- ホワイト<非同族企業<オーナー企業<ブラック
企業規模
超大手企業、大手企業、中小企業と企業規模でブラック率が高いか低いかはあるのでしょうか?
答えは企業規模が大きい方がブラック率が低いといえます。大手企業は法令を守る意識が中小企業より強いです。大手企業は残業させない仕組みやコンプライアンス室、リスクマネジメント室など監視が行き届いていますからね。
ベンチャーや中小企業は大手企業からの請負の業務が多く、期日が決められているのでどうしても残業過多になりやすいのです。
労働組合
労働組合があると一人では解決できない問題を団体交渉により、解決することができます。組織的な問題があれば、改善できる可能性があります。労働組合は健全な社風を作ることが目的なので、離職率が低くなる施策を打ってくれるでしょう。
官公庁
民間企業より官公庁で働いている公務員の方が法律できっちり守られています。特に公務員は給与や休み、労働時間が安定しており優遇されています。ただし、霞が関で働く官僚となれば超ブラックになる可能性大です。
オーナー企業
オーナー企業はワンマン社長が多く、個性が強く法令より売上を重視することがあります。どんなにわがままな社長でも株主は辞めさせることができませんからね。オーナー企業はよくも悪くもオーナー次第といえます。
これらはあくまでも傾向です
ブラック企業を除外して就活する
事前にブラック企業かどうか調べる方法やインターンシップや企業説明会、面接で質問をして、見分ける方法はわかったと思います。
どうしてもブラック企業は避けたい、でも自分で調べるのが面倒臭い、そんな突っ込んだ質問ができないなら下記の就活サイトが便利です。
入社後も後追いして、ヒヤリングしているので、ブラックな情報が集まるのです。就活サイトの運営会社は企業データの蓄積が他社との差別化につながってますから。
デアイバ
公式ホームページ:デアイバ
特徴
・1日グループディスカッションに参加するだけで最低1~2社スカウトが必ずもらえる
・毎回10社程度の参加企業の中から必ずスカウトがもらえる就活イベント
・企業の人事の方と直接話ができる
・参加は対面もしくはZoomだけでもOK!(完全無料)
・グループディスカッションのフィードバックを必ずもらえる
- デアイバに向いている人
- ・1日である程度目途をつけたい
・自分からではなく企業側から声をかけてもらいたい
・Zoomのみで参加したい
・私服で気楽に参加したい
・書類選考はもうしたくない
グループディスカッションのイベントに参加するだけで、2社から必ずスカウトがきます。行くか、それとも別の企業にするかは、あなた方に選択権があります。
\ オンラインで参加可能!/
JobSpring
公式ホームページ:JobSpring
特徴
・紹介企業は厳選した3~4件のみ
・不要なメールがほとんどこない
・3年間の離職率は驚異の0.1%未満
・web面談可能
・理系より文系の登録者が多い
- JobSpringに向いている人
- ・たくさんのメールをチェックしたくない
・ホワイト企業を紹介してもらいたい
・文系出身で就活に自信がない
紹介企業に就職してからもサポートがあります。3年間の離職率は驚異の0.1%未満です。ホワイト企業を紹介してもらえます。
\ ホワイトな企業を探したい!/
新卒エージェントUZUZ
>>公式ホームページ:新卒エージェント UZUZ
特徴
・ユーザー満足度97%の就活支援サービスが受けられる
・就職先企業規模は従業員1000人以上が62%を占めている
・就職後の定着率がなんと95.7%
・登録企業数は3000社以上
・エージェントへ気軽に相談できる
- 新卒エージェントUZUZに向いている人
- ・就活後期にも関わらず、内定がなく困っている
・贅沢は言えないが、中小ではなく大手企業を狙いたい
・首都圏、関西圏、名古屋、福岡で勤務したい
\ 大手企業に行きたい人必見!/
既にブラック企業で働いている場合
既に組織的な問題の中でもがき苦しんでいるなら、まずは部署替えを人事部にお願いしましょう。言いづらい雰囲気なら、思い切って転職を考えましょう。
・労働監督署からサービス残業の指摘を受けても改善されない
・パワハラで何人も辞めてるのに職場環境が改善されない
・教育は怒鳴り散らす方法しか知らない役員ばかり
このような職場なら一刻も早く辞めた方が、精神的によいです。
人生は仕事だけではありません。うつを発症するとプライベートも壊されます。
まとめ
入社して、ブラック企業とわかっても新人だと、どうすることもできません。入社する前にブラック企業かどうか自分で調べる必要があります。
よくやりがちなミスとしては、友達や5ちゃんねるの情報を鵜呑みにすることです。
最新の情報を収集するには直接、採用担当者へ質問すれば一番わかります。ホームページに平均残業時間、離職率、有給消化率と記載する企業が増えています。
平成から令和になり、社員の価値観も大きく変わっています。出世やお金だけでなく、ライフワークバランスが重要視されています。
しっかり見極めて上でホワイト企業へ入社しましょう。