あなたは面接官に「他社の選考状況を教えてください」と聞かれたら、どのように答えますか?
正直に全落ちたことを伝えるべきか、それとも1件内定をもらっていると嘘をつくべきか…。
やはり、嘘はバレるので、正直に答えた方がよいのでしょうか?
私は大手企業の新卒採用活動に15年以上たずさわっている『はれきち』です。私もこの手の質問は面接官としてよくするのですが、採用側の意図をわかりやすく説明することができます。
- 面接官が質問する意図
- 嘘はバレないが、あなたの力量で推察される
- 正しい答え方
- ダメな答え方
- 回答後に必ず聞かれる質問とは
この記事を読むと、面接官がなぜ「他社の選考状況を教えてください」という質問をするのか、意図を理解できます。意図を把握すれば、正しい回答ができるようになります。また、回答は嘘をついてもバレませんが、あなたの力量で推察されるでしょう。
一次面接で落ちたことは正直に言わない方がよい
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採用者が質問する意図
面接官は他社の選考状況を聞いて何を知りたいのですか?
実は得るものがたくさんあるから質問するんだよ
他社の『就活状況』や『面接状況』を聞くと面接官は次の3つのことがわかります。
・就活の軸をどこにおいているのか
・志望度が高いのか低いのか
・他社があなたの力量(市場価値)をどう評価ているか
就活の軸
企業名を言わなくても、業種や職種、希望勤務地を聞くと、就活の軸が何なのかわかります。
・大手、中小、ベンチャーなど企業規模で考えているのか
・食品、製薬、商社など、どんな業種を探しているのか
・営業職、技術職、研究職など、どんな職種で探しているのか
・実家から通える範囲を考えているのか
・業務内容に関心があり、同業他社は受けているのか
つまり、就活の軸をどこにおいているかで、あなたの就活に対する考え方がわかるのです。
わかりやすくいうと、食品業界で働きたいのか、研究開発部門で働きたいのか、実家から通える範囲を探しているのか、やりたい業務で探しているのか、どこを中心にこだわっているのかがわかります。
志望度の高さ
これは意外かもしれませんが、軸が何であるかわかれば、弊社が軸に該当しているのか、いないのかで志望度の高さがわかります。
例えば、業界に関して、弊社が食品で、他社がすべて製薬なら志望度が低いとなります。つまり就活の軸が製薬だからです。
さらに職種でいえば、弊社のエントリーが技術職、他社のほとんどが研究職を希望していれば、本当は研究職がやりたいんだなとなります。
逆に実家から通える企業を探していることがわかれば、弊社の工場が実家近くにあるので、志望度は高いとなるのです。
ちなみに私が志望度がもっとも高いと判断するのは同業他社を受けている場合です。
つまり、面接官はこの質問で志望度が高いか低いかを判断しています。
就活の軸がバラバラだと入社意欲は低いと判断されますよ
あなたの力量(市場価値)
内定をすでに複数からもらっているなら、力量があると判断されます。もしくは有名企業の最終面接の結果待ちだと聞けば、同様に実力あるな判断されるでしょう。
逆にまだ内定がなく、『ほとんどが一次面接で落ちた』となれば、どこかに問題がある人材と思われます。
よって、この質問は他社の評価を客観的な判断材料にしているのです。
嘘をつくとバレるのか?
本題に入りますが、回答で嘘をつくとバレるのか気になりますよね。
例えば、就活の軸がバラバラなので意図的にそろえたり、本当は内定をもらっていないのに、1件もらっていると嘘をつくとどうなるのでしょうか?
結論、バレません。
なぜなら、裏を取られることがないからです。「証拠のメール文をみせてくれ」や「内定承諾書のコピーがほしい」など言われることはありません。
ただし、大手企業の内定をもらっていると嘘をついた場合、実力があまりにも劣っていれば、見透かされます。面接官は優れた人材かどうかは志望動機やガクチカ、自己PRを聞けばすぐわかりますからね。
正直、私も『これでよく内定もらえたな』、『こりゃ盛っているな』と思ったことはあります。だからといって、追及したことは一度もありません。
では嘘はつかない方がいいのか?
私は、面接官をその気にさせる嘘はありだと考えています。その方が面接官への印象がよくなるためです。
その気にさせる嘘とは
就活の軸はバラバラより、ある程度そろえた方がよいに決まっています。
例えば、就活している業種として、食品、製薬はまだ近いですが、この中にIT業界があったら、どうでしょうか?
この人は何がしたいのかなと思われますよね。よって、IT業界を受けたことを言わない方がよいです。
職種も同様に営業職でいくのか、技術職でいくのか、研究職でいくのか、そろえた方が相手に意志をつよく伝えることができるでしょう。
就活の軸が整っているとやいたいことが明確になっていると判断されます。
面接状況を伝えるなら、たとえ一次面接で落ちたとしても正直に言わず、二次や最終面接の結果待ちと伝えるべきです。
不合格になったことを報告するにしても最終面接で落ちたと言えば、印象はそこまで悪くなりません。逆に一次面接で落ちたとなれば、何か問題があるなと面接前から勘ぐられてしまいます。
ここで大事なポイント!
面接官を一番その気にさせるのは、ライバル会社の面接状況を伝えることです。そもそも業務内容に関心が高くないと同業他者の面接は受けませんよね。志望度が高い印象が植えつけられるので、一番効果的です。
面接官も結果どうなの?と一番食いつくところでしょう(笑)
一次面接で落ちたとしても『結果待ちです』、『次、二次面接です』などとかわすとよいでしょう。不合格になったことを伝えるなら、『最終面接や三次面接で落ちました』と言えばよいです。
決して、『一次面接で落ちた』と言わないことです。
同業他社を受けているなら、面接官への殺し文句として、『本当に行きたいのは御社です』と言えば、この上なく喜ぶことでしょう(笑)
不快感を持たれる嘘
面接官をその気にさせる嘘はよいですが、不快感を持たれる嘘は大きく評価を下げてしまいます。
<不快感を持たれる嘘>
・御社一本しか受けておらず、他社は受けていません。
・超大手企業の内定をもらっています。
御社一本
御社一本しか受けていないというのは、就職活動の姿勢を疑われます。関心を持ってもらおうと、嘘をつくと逆に不信感しか持たれません。
就活で企業研究はしていないのですか?、ここ落がちたらどうしますか?という質問が必ずくるでしょう。
他社の選考状況を聞いたときに、あきらかに受けている件数が少ないと計画性や就活の姿勢を疑われてしまいます。
超大手企業の内定
「超大手企業の内定をいただいています」とハッタリをかましたときに、面接を受けている企業が格下だと不信感をもたれます。なぜ、その企業に決めないのですか?、弊社は冷やかしで受けているのですか?と突っ込まれます。
企業規模があまりにもかけ離れた会社の内定をもらっていると言えば、不信感につながるでしょう。
正しい答え方
質問されたら、どういう答え方をすればいいんですか?
それでは正しい答え方を教えるね
質問で聞かれたことだけを答える
答え方の基本は、質問されたことだけを答える。
なぜ、そうなるかといえば、面接官は『他社の選考状況を聞くのは大変申し訳ない』と思っているからです。
よく考えてみてください。
他社の評価云々は、弊社の面接において、全く関係ないからです(笑)
ただ、この質問をすると就活の軸や志望度の高さ、客観的な力量がわかっちゃうので、ついつい聞きたくなるのです。
よって、面接官から、「他社の選考状況を教えてください」もしくは「他社の就活状況を教えてください」と言われたら、みずから詳細に伝えなくてよいです。
①まずは業種を答える
例えば、「食品系、製薬系の業界を受けています」と答えます。
②次に選考状況を答える
例えば、「二次面接の結果待ちが2件、次が最終面接の会社が1件、これから受ける会社が2件あります」と回答します。
最初から企業名をペラペラ話す必要はありません
いきなり企業名を伝えなくてよい
答え方に困る場合があるとすれば、企業名で伝えるべきか、○○系、△△業界と伝えるべきかですよね。
いきなり企業名で言う人は稀です。食品であれば、食品系、食品会社、食品業界とオブラートに包んで伝えるとよいでしょう。
「明治、ヤクルト、カゴメ、雪印メグミルクを受けています」といきなりいう人はさすがに少ないです。
でもいきなり伝えた方がよい場合があります。
面接を受けている会社が第一志望で、すでにライバル会社の内定をもらっているなら、企業名をストレートに伝えた方がインパクトあります。
もちろん、様々な質問が飛んでくるでしょうが、『御社に一番入社したい』ことを伝えれば、印象がグッと上がります。だって、ライバル会社より弊社を選んでもらって、喜ばない人はいませんからね。
もしそのように伝えたいなら、「ライバル会社ではなく、なぜこの会社に入社したいのか」、の明確な回答を用意しておきましょう。
ダメな答え方
ここでダメな答え方というのは、面接官にマイナスの印象をあたえる回答をさします。
ほとんどの場合、就活状況を聞くのは面接の頭の部分です。そこでマイナスの印象を持たれると、志望動機、自己PR、ガクチカに影響を与えかねません。
<面接官にマイナスの印象を与える内容>
・就活の軸がバラバラになっている
・エントリー数が少なすぎる
・ほとんどが一次面接で落ちている
就活の軸がバラバラ
就活の軸は何ですか?はよく質問されるひとつですよね。それだけ採用側が聞きたいことの裏返しなのです。
仮に「食品会社、商社会社、自動車会社を受けています」と言われたら、あなたはどう感じますか?
業務内容はまったくかぶっていないな、何が一番やりたいのだろう、このように思いますよね。面接官もそりゃ同じです。
エントリーしているのが営業、技術、研究職とバラバラなら、同様に思われるでしょう。
まだ、企業を絞り切れていないと判断されると志望動機に疑念をもたれます。もし立派な志望動機を伝えたとしても、『食品、商社、自動車』だと全く違うよね?となるからです。
エントリー数が少ない
返答でどのくらいの企業数を受けているのか、わかってしまいます。
エントリーしたら、必ず面接を受けられるわけじゃありません。面接中の企業が少なければ、通常はエントリー数を増やす必要があります。
ただ、あきらかに面接を受ける企業が少ない場合があります。就活は大丈夫?とこちらが心配になることも…。
内定がまだなにのに、2,3件のみだと、就活の取り組みや計画性が弱いと判断されるでしょう。
ほとんど一次面接で落ちている
ほとんどの採用選考で一次面接に落ちていることが面接官にわかると、かなり警戒されます。
私の会社では一次面接は二次、最終面接に比べ、合格率を高く設定しています。
一次面接では基本レベルに達していない人を落として、二次面接では入社させても問題ないレベルの人を合格にしています。最終面接ではさらに深堀りしていくイメージです。
よって、一次面接に落ち続けていることを伝えると、面接官に悪い印象をもたれてしまいます。
【現役面接官だから言える】面接の合格と不合格フラグの見分け方
回答後に必ず聞かれる質問とは
面接官の質問に答えたら、さすがにすぐ終わりってことはありません。
続けて、質問が飛んできます。想定していないと、言葉に詰まったり、考え込んだりしてしまいます。
★想定される質問は次のようなものがあります。
・最終面接までいっている業種は何ですか?
・二次面接の結果待ちは何系の会社になりますか?
・食品、製薬のどちらにウエイトを置いていますか?
・さしつかえなければ、最終面接の企業名を教えてもらってよいですか?
・すでに内定をもらっている企業はありますか?
・弊社に受かったら、内定をもらっている会社とどちらに行きたいですか?
・あなたの第一志望はどうでしたか?
すぐ、答えらえる質問から答えに困ってしまう質問がくるかもしれません。中には誘導する質問があるので気をつけてください。
疑問に残ることとして、企業名を言いたくない場合は、「言いたくありません」と断ってもよいのでしょうか?
バッサリ断ると面接の雰囲気が悪くなるし、かといって企業名はストレートに言いたくないですよね。
その場合は、察してください的なニュアンスでOKです。
・ヨーグルトを作っている食品会社です
・健康ドリンクを製造してる製薬系です
・地元の食品会社です
・上場している某製薬会社です
・三井系の子会社です
○○を製造している会社、○○を売っている会社、○○のサービスをしている会社など、ぼかしていうとよいでしょう。
何しろ他社の合否状況やどこを受けているかは個人情報にかかわってくるので、自ら詳細に伝える必要はありません。
まとめ
「各社の選考状況を教えてください」や「就活状況を教えてください」の質問は嘘をついてもバレることはありません。
面接官がなぜ聞くのかは就活の軸、志望度の高さ、客観的な評価を知るためです。
答え方としては就活の軸を整えたり、一次面接で落ちたことを言わないようにした方がよいでしょう。
その方が面接官の印象がよくなります。
なお企業名を言いたくないときは○○を製造している会社のようにニュアンスで伝えると雰囲気も壊さなくてよいでしょう。